松原修平選手 インタビュー
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【プロフィール】松原 修平(まつばら しゅうへい) 水戸ホーリーホック GK 背番号21
サッカーをとことん好きであれ! 圧倒的な練習量で質を生み出そう
──プロを目指す子どもたちへ、松原選手からのメッセージ
険しく厳しい道を自ら切り拓いてきた松原選手が、プロを目指す子どもたちに伝えたいことは?
「まずは、自分がやっているスポーツを好きでいることです。嫌いなことは努力できません。自分にも、グラウンドに行くのがちょっと嫌になる時はありました。でもグラウンドに立つと、“やっぱり好きだな”って思えるんです」
技術面については、「質は圧倒的な量からしか生まれない」と語ります。
「よく“ケガするまでやるな”って言いますけど、僕は、“ケガしてでもやりすぎなくらいやれ”と思っていました。暇さえあれば壁にボールを当てて蹴ったり、誰かにシュートを打ってもらったり。何か教わったからプロになれるのではなく、空いた時間をどれだけサッカーに注げるかが大事です。たくさんサッカーを見て、最初は真似でもいいから、自分の蹴り方やフォームを見つけていければ、必ず上達します」
キーパーを目指す子どもには特に「キックの精度」が重要だといいます。
「飛ぶ・飛ばないは別にいいんです。狙ったところに蹴れるかが大切。自分の蹴り方を探ること。これは一人でもできる練習だから、ぜひやってほしいですね」と推奨。

そして、気持ち・意識の部分。ひとつは、負けず嫌いであること。
「僕も函館選抜、北海道選抜、日本代表、世界の選手たちと対戦して、“今の自分じゃダメだ”とずっと感じてきました。学校やクラブで一番上手い選手と比べて、家に帰ってからも意識して努力すれば成長のスピードが全然違います。これはプロになった今でも同じです。現状に満足せず、上を見続けて欲しい」
もうひとつは、「ボールを怖がらない気持ち」も大切だといいます。
「プロでも顔や身体を背けてブロックする選手もいますが、ボールを怖がっていてはダメです。小学生のうちにジャージに穴が開くくらいスライディングして、身体で止める経験をたくさんしてほしい。ケガをしてもサッカーでは死んだりしません。恐がらない気持ちの部分を意識して欲しいです」
最後に親御さんに向けてもひとつ、松原選手自身が体験した“ご褒美方式”も一つの方法だと笑います。
「僕の例ですけど、勝ったら焼肉、選抜に選ばれたらiPodを買ってもらえる、というように、小学生の頃から“勝てば得られる、負けたら何もない”というスタンスでやってきました。プロの世界と同じです。教育上はどうかと思われるかもしれませんが、僕はそれを原動力に頑張ってこれたんです。お子さんによっては、これもありかなと思います」