2024ホーム最終戦&GK本間幸司選手引退セレモニー~後編~
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2024年11月3日、2024シーズンのホーム最終戦が開催されました。この試合は、今季限りで現役を引退する水戸のレジェンドGK・本間幸司選手にとって、プロ人生すべてを懸けたラストマッチ。この記事では、当日の模様を前編・後編にわたってお届けします。後編となる今回は、試合後に行われた本間幸司選手の引退セレモニーの様子をレポート!
スタジアムに響いた「ありがとう」 本間幸司 引退セレモニー
GK本間幸司選手 懐かしい面々との再会
(前編記事はこちら)
2024ホーム最終節・モンテディオ山形戦後に行われたGK本間幸司選手引退セレモニーでは、現在は東京国際大学サッカー部監督である前田秀樹元監督をはじめ、大宮アルディージャの笠原昂史選手、COEDO KAWAGOE F.Cの三島康平選手、水戸啓明高サッカー部コーチの金久保順さんなどのOBたちが約50人も集結。
OBたちが26年間の勇姿がプリントされた横断幕を持って花道を作ると、主役の本間選手は懐かしい面々との再会に驚きながらも嬉しそうな表情を浮かべて登場しました。

大型ビジョンでは、本間選手のこれまでの軌跡を辿るプレー集のほか、"野人"の愛称で知られる岡野雅行さん、同郷出身の鈴木隆行さん、田中マルクス闘莉王さん、小野伸二さんの元チームメイト達、そして“キングカズ”こと三浦知良選手(JFL・アトレチコ鈴鹿クラブ所属)からねぎらいのメッセージが寄せられました。

印象に残っている試合は東日本大震災直後の徳島ヴォルティス戦
本間選手は事前に書き記した手紙などは用意せず、その瞬間に湧き上がる想いも加えながら、自身が過ごした油縄子小学校、多賀中学校、水戸短大付属高校(現・水戸啓明高校)時代のエピソードや、高卒で入団した浦和では、厳しいプロの世界で自身のシュートストップが通用せず、ストレスで円形脱毛症にも悩まされたこと、唯一、引退を相談した岡野さんやトレーナーの野崎信行さん(現FC岐阜コンディショニングアドバイザー)との出会いを振り返ります。
自身が苦しみにもがく状況のなか、当時JFLに所属していた水戸に移籍してくると、そこには、土のグラウンドで泥にまみれ血だらけになっても懸命にプレーしている仲間の姿が。その逞しさやひたむきさに心を打たれ、仲間とともに本気で闘った本間選手と水戸ホーリーホック。一年後、チームはJ2に昇格しました。
そして、Jリーグのファーストゲーム。対戦相手はなんと、本間選手が高校卒業後3年間在籍していた浦和レッズでした。 「不思議な縁というか、サッカーの神様がいるんじゃないかと感じました」と感慨深そうに語ります。
本間選手のプロ人生で最も印象深い試合の一つと話すのは、東日本大震災後で中断されていたJリーグが再開した直後の2011年4月23日に行われたホームでの徳島ヴォルティス戦。水戸ホーリーホックはこの試合で劇的逆転勝利を飾りました。
「まだ震災の影響の真っ只中で、こんな状況でサッカーをやっていいのか?と思いました。でも、少しでも地域の明るいニュースを届けて笑顔を取り戻さないといけないという、自分よりも大事なもののために戦って、勝利という素晴らしい結果を出せたのは、ホーリーホックにとっても大きな出来事でした」
