2024ホーム最終戦&GK本間幸司選手引退セレモニー~前編~
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2024年11月3日、2024シーズンのホーム最終戦が行われ、今季限りで現役を退く水戸のレジェンドGK・本間幸司選手がプロ人生のすべてを懸けたラストマッチに挑みました。この記事では、その一日を前編・後編に分けてレポート。前編では、運命の最終節・モンテディオ山形戦の模様をお届けします。
後半58分、水戸が待望の同店ゴールを獲得。このままでは終われない
後半が開始して58分、水戸が待望のゴールを獲得。3バックの左を担うDF大崎選手がDF石井選手とのワンツーパスで抜け出すと、左サイドに展開したFW草野選手がゴール前にクロスを上ます。これに後方からオーバーラップしていたDF長澤シヴァタファリ選手が頭で合わせて同点に追いつきます。その直後にも、ショートカウンターから草野選手にビッグチャンスに生まれるなど、追い上げムードが加速していきました。

勝ち越したい水戸は攻撃にシフト、FW安藤瑞季選手と左ウィングバックにMF甲田英將選手を投入します。しかし、この采配が逆に山形に流れを変えることに。不慣れなポジションに起用された甲田選手の攻守が曖昧となり、64分、山形MF髙江麗央選手にフリーでクロスを上げさせてしまうと、GK本間選手が勢いよく飛び出し過ぎてしまう判断ミス。これを山形FWディサロ燦シルヴァーノ選手が逃さず、水戸が欲しかった勝ち越し弾を決められてしまいました。
「せっかくチームメイトが追いついてくれたのに、僕がクロスに出て触れられなかった。そこで流れを悪くしてしまったなと感じています」

このままでは終われない守護神。後半67分、山形MF國分伸太郎選手の強烈なミドルシュートを47歳とは思えない驚異の反応で跳ね除け、チームを牽引します。
しかし後半78分、再び山形MF髙江選手が右からクロスを上げると、それを山形FW高橋潤哉選手に頭で押し込まれ、2失点目と同じ形で失点。アディショナルタイムを含め、水戸は最後まで逆転を狙い戦いましたが、スコアは動かぬままホイッスルが鳴り響き、1-3で山形に軍配が上がりました。

「あっという間に90分が終わってしまって、『これで終わりか』と思うと、すごく寂しい気持ちがあります。サッカーって残酷なもので、カッコよくは終わらせてもらえなかったけど、これも含めて、フットボーラーとして、GKとして29年間生きてきた生き様かなと。これからの人生のいい教訓にもしていきたいと思います」と最後まで悔しさを滲ませました。
試合終了後は本間選手のプロ29年間という多大な功績、ホーム最後の勇姿を称えて、水戸側だけでなく、山形の渡邉晋監督や選手達、審判団も花道を作り、両サポーターからも割れんばかりの大きな拍手で偉大なレジェンドの退場を見送りました。
(後編記事に続く)
