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2025.07.02

西川幸之介選手 インタビュー

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西川幸之介選手 インタビュー

【プロフィール】 西川幸之介(にしかわ こうのすけ) 水戸ホーリーホック GK 背番号34 ●2002年9月11日生まれ [出身地] 愛知県 [身長/体重] 181cm/78kg [血液型] O [利き足] 右 [加入歴] 1年目 [経歴] グランパスみよし → シルフィードFC → 藤枝東高校 → 大分トリニータ

「スーパーじゃなかった自分」─西川幸之介、水戸の新たな壁

負けたくない。その思いが芽生えたシルフィードでの日々

 

今季から水戸ホーリーホックに加入し、攻守で存在感を放つ若き新守護神・西川幸之介選手。驚異的な精度のキックと広い守備範囲を武器に、快進撃を続ける水戸のゴールマウスを守っています。

 

サッカーとの出会いは幼少期。父親の海外勤務先だったサッカー強豪国ベルギーで生まれ、サッカー好きの父と一緒に現地のベルギーリーグや2006年ドイツW杯を観戦するなど、幼い頃からサッカーが身近にありました。

 

6歳の時に帰国後、愛知県のJクラブ・名古屋グランパスのスクールに入団。小学4年で選抜クラス「グランパスみよし」のセレクションを受けた際、希望ポジションの全てに丸を付けたことで次第にキーパーを務めるようになり、6年生になる頃には完全に定着。しかし実力に自信はあったものの、ジュニアユースへの昇格は叶いませんでした。西川選手は「サッカーやチームに向き合う姿勢が甘かった」のがその理由だと振り返ります。

悔しさを胸に秘め、進んだのは名古屋で数々の実績を挙げていたシルフィードFC。全国大会常連の強豪クラブです。

 

「自分はスーパーな選手じゃなかったと痛感しました。だからこそ『見返してやろう』という強い気持ちが力になりました。シルフィードでは自由に思い切りプレーできて、サッカーの楽しさを改めて教わりましたし、マインド(心)もリセットできたと思います」

 

小学生時代の自分の怠惰な態度に気付き、サッカーや自分としっかり向き合ったこの3年間が、後に高卒プロへの道を開く原動力となりました。

藤枝東で磨いた精緻なキック。攻守での存在感を武器にプロの舞台へ

中学を卒業し、進学したのは文武両道を掲げる静岡県の藤枝東高校。県内有数の進学校でありながら全国に広く知られるサッカーの強豪校です。同校の練習に参加した際は“何も通用しなかった"と衝撃を受けますが、発奮して一般入試でチャレンジし、難関を突破しての入学でした。

 

より高いレベルの環境で始まった猛練習の日々。佐賀一平氏、河村優氏ら元Jリーガーのコーチ陣のもと、自分よりも背の高い先輩達に負けまいと、指導者達から「もうやめろ」と言われるまで毎日懸命に自主練に打ち込んだと言います。

徹底して磨いたのは、パントキックやロングフィードなど、自身の代名詞となった『キックの精度』。そこからメキメキと力を伸ばすと高校1年の夏には正GKのポジションを勝ち取り、インターハイでも全国大会に出場。さらに静岡県選抜では、静岡学園高校の松村優太選手(鹿島アントラーズ)、浅倉廉(藤枝MYFC)らと共にヨーロッパ遠征やSBSカップに出場。国内外の強豪、世代別日本代表との対戦を重ね、大きく成長を遂げました。

 

そして迎えた高校3年時、かつて指導を受けたシルフィードFCの恩師と運命の再開をしたことで、プロへの道が一気に動き出します。恩師の紹介で知り合った代理人を通じて大分トリニータの練習に参加するチャンスを得ると、6日間という短時間のなかで持ち前のキック技術が高く評価され、内定を獲得。少年時代から追い続けたプロ入りの夢を叶えた瞬間でした。