茨城出身の選手を応援!いばナビSPORTS/モータースポーツ
【2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権Rd.1-2レポート】
お気に入りに追加

いつ起こるか分からない様々な災害。いざという時のため、防災対策に日夜取り組む土浦市消防本部に、大事な人命や家屋を守る防災術をお聞きしました!
茨城県出身ドライバー野尻智紀

国内最高峰レースで活躍する要注目の選手
国内モータースポーツのトップカテゴリーに位置する全日本スーパーフォーミュラ選手権。4輪のタイヤが剥き出しになった、サーキット走行専用のマシンで争われるこのシリーズは数多くのF-1選手を送り出しています。そんなトップカテゴリーで2021年・2022年と2年連続でシリーズチャンピオンを獲得しているのが筑西市出身の野尻智紀選手です。
彼が所属しているのはホンダのトップチームである無限。車好きなら誰しもが聞いたことのあるこのチームで活躍する野尻選手の今シーズンに注目していきます。
2025シーズン開幕

新体制で臨む2025
このスーパーフォーミュラに限らず、自動車レースで勝つためにはいくつもの要素が必要となります。ドライバーが速くても、マシンが遅くては勝てないし、タイヤの性能が劣っていても勝つことはできません。もちろん、タイヤ交換のタイミングをはじめとした戦略を立てるスタッフがいなければ勝利を手に知ることはできないのです。つまり、いくら優秀なドライバーでもひとりでは勝負になりません。
その車を用意し、作戦を計画するスタッフが「エンジニア」。昨年まで、野尻選手の横には常に長年苦楽を共にした一瀬俊浩エンジニアがいました。しかし、その一瀬エンジニアが他チームへ移籍。今年は、昨年までは同チーム内で別の担当をしていた田口顕人エンジニアがチーフエンジニアに就任し、野尻選手とともに2025シーズンを戦うこととなりました。チャンピオン奪還を目指す野尻選手にとって、新たな相棒とともに歩むシーズンはどうなるのでしょうか?
Round 1 SUZUKA

史上最多タイ記録!
『予選の野尻』…かつてそう呼ばれた野尻選手。誰よりも1発の速さに優れている彼を言い表した異名です。そんな野尻選手が、2025シーズン開幕戦で史上最多タイに並ぶ20回目のポールポジションを獲得!金曜の走り出しから手ごたえを得ていた野尻選手ですが、チームメイトの岩佐歩夢選手に100分の2秒差でトップタイムを記録しました。
そして同日午後に開催された決勝。しかし、新体制になったことで生まれる僅かなギャップが野尻選手のスタートを鈍らせます。この結果、野尻選手は2番手で1コーナーに…。このスタートがこの後の明暗をくっきり分けてしまうことになりました。途中クラッシュが発生し、レースは先導車(セーフティーカー)が介入する展開に。このタイミングでピットへ戻りタイヤ交換義務を果たさなくては勝負権を失ってしまう状況となってしまいます。コースに残る全車に迫る選択。この結果、チーム無限はトップを走る岩佐選手と野尻選手をピットへ呼び戻します。しかし、タイヤ交換ができるのは1度に1台だけ。野尻選手は先にタイヤ交換へ入った岩佐選手の作業が終わるのを我慢して待つしかない状況に。これで大きく順位を落としてしまった野尻選手は7位でチェッカーを受けるのが精一杯でした。
「セーフティーカーのタイミングがとにかく悪かったですね。その中でも全力で対応してくれたチームには感謝しています。こういうレースでもポイントを獲れたことが大切だと思っています」とレース後にコメント。優勝を手にしたのは、同じくホンダのマシンを駆る太田格之進選手でした。
Round 2 SUZUKA

連続ポールポジション獲得
前日は運に味方されず下位へ沈んでしまった野尻選手。明けて日曜の第2戦では持ち前の速さで開幕戦に続き、自身21回目のポールポジションを獲得しました。これまでレジェンドドライバー本山哲選手が持っていた記録を抜き去り、ポールポジション獲得記録で単独首位となったのです。予選後、野尻選手は「憧れの本山選手の記録に並べるだけでも光栄だったのに、まさか抜くことができるとは思いませんでした。走れる機会を与えてくれる全ての人に感謝しています」と喜びを露わにしました。ちなみに、予選2番手には昨日同様チームメイトの岩佐選手が付けています。
しかし、重要なのは決勝での順位。午後からはじまった決勝は前日よりも4周多い31周で争われます。ですが、スタートはまさかのデジャブに襲われてしまいました。前日問題となったスタート手順は順調にこなしたこともあり、野尻選手は絶妙の蹴り出しでいち早くスタートを切ります。ところが、1速から2速にシフトアップする瞬間ギアが蹴られてしまうトラブルが発生。一瞬、加速を鈍らせてしまった野尻選手の横を岩佐選手が難なく前へ…。前日の一斉ピットを避けたいチームはすぐに野尻選手をピットへ呼び戻します。早々にタイヤ交換を終え、乱気流のないクリーンな場所でレースを続けたい野尻選手ですが、開幕戦を制した太田選手が異様に速いペースで野尻選手を交わしていきます。全くペースを上げられない野尻選手。予選での1発の速さは示せるものの、決勝のペースに難があるマシンに苦しみ4位でフィニッシュとなりました。優勝は太田選手のチームメイト・牧野任祐選手が勝ち取りました。

21回目のポールポジション獲得をチームスタッフと喜ぶ野尻選手

第2戦終了後に他のマシンのタイヤをチェックする…

レース終了後、はまらないマシンのセットアップをチームと共有

決勝でのペースの弱さに悩まされる野尻選手