OMI CAFE(オミカフェ)~時を超えて生まれる来福酒造とまちの新しい物語~|筑西市
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筑西市唯一の酒造である来福酒造は、300年を超える伝統を誇りつつ、酒造りに花酵母を使用するなど常に挑戦を続ける酒造としても知られています。2023年にオープンしたOMI CAFEは、国の登録有形文化財に指定されている古民家を地域活性に活用するための新たなチャレンジ。”時を超えた恩返し”と題されたプロジェクトの軌跡をご紹介します。(2025年11月時点の内容です)
伝統を守るため「保存」を超えた「活用」を
時を超えて佇む、美しい外観
来福酒造の創業は享保元(1716)年。江戸幕府に酒を献上するため良水の地を求めて筑波山麓にたどり着いた近江商人を、吉島村(現在の筑西市村田)一帯の地主である尾見家が受け入れたことがはじまりでした。尾見家の屋敷は皇族が立ち寄られたという記録も残るほど立派な建物で、およそ180年前に建てられた主屋はいまもその姿を残し、薬医門や神輿蔵とともに「旧尾見家住宅」として国の登録有形文化財に指定されています。しかし現在尾見家には後継ぎがなく、貴重な古民家も手入れの行き届かない状態になっていました。
旧尾見家住宅(平成28年11月29日登録 有形文化財)
恩人である尾見家の建物を守るために立ち上がったのが、来福酒造の10代目藤村俊文さんです。「もともと、保存会としての活動も行っていましたが、建物を有効活用しながら保存していく方法はないかと相談されて真っ先に浮かんだのが古民家カフェでした。酒蔵見学に来てくれたお客様から来福のお酒を飲みながら食事できる場所は近くにないかと聞かれるたびに、そういうお店がほとんどないのを残念に思っていたこともあり、それならうちでやろうと決意しました」と藤村さん。まずは修繕や改装などの費用を準備するため、クラウドファンディングにチャレンジしました。
クラウドファンディング支援者一覧
クラファンからはじまる300年分の恩返し
プロジェクト名は、「筑西市に古民家カフェを|来福酒造から地域の未来へ、時を超えた恩返し」。300年前に土地を譲ってくれた尾見家への感謝と、地域おこしへの思いが込められています。
リターン品は、お酒の飲み比べセットなど酒造ならではのものをはじめ、オープニングイベントの鏡開きへの招待も。「最初はなかなか反応がなくて焦りましたが、近所の方が『やり方わからないから』と直接支援金を持ってきてくれたり、『私も苗字が尾見なので縁を感じました』とメッセージつきで応援してくれる方がいたり、みなさまのおかげで目標金額を達成することができました」と藤村さん。
「誰もが思い思いの時間をのんびり過ごせるお店づくりをスタッフと一緒に目指しています」と来福酒造株式会社代表 藤村 俊文さん
オープニングセレモニーでは、現・設楽市長と一緒に鏡開き!
オープン前から列ができる程、賑わったそう
来福酒造を創業した近江商人の屋号である「近江屋」と恩人である「尾見家」、両家の名前を残すため店名は「OMI CAFE」とし、酒粕や酒糀を使った料理など酒造らしさを感じられるメニューづくりと、伝統ある建物の雰囲気を大切にした店づくりを進めていきました。
柱や梁はなるべく生かし、朽ちた箇所を修復しながらの作業
かつて利用されていた井戸やかまどはきれいにして残し、未来へつなぐ
メニューもサービスも創意工夫の挑戦は続く
カフェに利用するのは、主屋の土間部分。古民家再生に実績のあるつくば市の里山建築研究所へ設計と施工を依頼し、時代を経た梁や柱などを残しつつ、傷んだ箇所を修繕するとともに客席や調理場、お手洗いなどを整えていきました。テーブルもすべて特注で、南三陸の杉材一本からつくられた一枚板の天板が伝統ある空間に馴染みます。「文化財の古民家ということで建築関係の方の見学希望も多く、改めて貴重な建物なんだと認識しました」と藤村さん。「この特別な空間で過ごすひとときを、ゆっくりと楽しんでほしいですね」と言葉を続けます。
営業は現在のところランチのみで、おすすめは月替わりのランチプレート。酒造見学とランチが楽しめるパックも好評で、ランチセットのドリンクには来福のお酒を選ぶこともできます。およそ30席の空間は貸し切り利用も可能で、重厚感のなかにも寛ぎを感じる雰囲気はご長寿のお祝いなど和やかな会食にもぴったり。のんびり、ゆったりと、伝統ある空間に酔いしれてください。
さらに今後は座敷や庭も活用し、マルシェや料理教室、ミニコンサートなどコラボイベントの希望も受け入れていく予定とのことなので、素敵なアイデアがある方はぜひ手を挙げてみてはいかがでしょうか。
■ メニューご紹介
来福しあわせ カレー 1,500円
4市町が合併してできた筑西市にちなみ、下館の「し」明野の「あ」協和の「わ」関城の「せ」を取り、各地域の食材をひとつのカレーに詰め込んだ一品。
枡入り酒粕ティラミス 750円
酒粕のコクと柿の甘みが重なり合う、秋の人気デザート。OMI CAFE限定の枡は持ち帰りもできます♪
塩麹漬け白身魚の中華風きのこあんかけ 1,680円
月替わりプレート。やさしい塩麹の旨味と、きのこの香りがふんわり広がる秋限定ランチ。旬の小鉢・ミニ蕎麦・酒粕汁・ひとくち甘酒付きです。
お酒を楽しみたい方は、バスや電車の時刻確認もお忘れなく!
お問合せ先
◆OMI CAFEーオミカフェー
【住所】筑西市村田1624
【電話】0296-45-5495
【定休】火・水・第2日曜
【時間】平日11:30~15:00、土日祝 11:30~16:00
【駐車場】15台あり
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