“J1昇格”を宣言!監督、選手が勢揃いした新体制発表会
今年でクラブ創設30周年。J2リーグ参戦25年目を迎えたJ2・水戸ホーリーホック。 就任2年目の指揮をとる濱崎芳己監督のもと、新加入16名を含む34名で節目の年にJ1昇格を目指します。 そんな勝負の年に挑むため、「2024水戸ホーリーホック新体制発表会&ホームタウンPR大使ドラフト会議 presented by JX金属」が1月14日、城里町石塚のコミュニティセンター城里で開催されました。 大勢のサポーターや関係者らが駆けつける中、第一部は監督や全選手が所信表明する新体制発表会、第二部はPR大使ドラフト会議が行われました。 まず上遠野修城里町長が挨拶すると、続いて小島耕社長が登壇。まず新体制発表を始める前、1月1日に発生した能登半島地震の犠牲者に会場全員で黙祷を捧げました。昨年は190以上のパートナー企業、ドイツ・ハノーファー96やベトナム・ソンラムゲアンの海外クラブと提携。 今年は水戸市内にアカデミーの拠点が整備される旨を語り、ファン・サポーターへの感謝を伝えていました。 昨年は水戸に10年間在籍した後、引退を発表した細川淳矢元選手がCRC(クラブリレーションコーディネーター)に就任するサプライズがあったことから、今年も期待されていましたが、「サプライズはこの秋に起きます。僕らがトップディビジョンに行きます」と小島社長は明言。 西村卓朗GMも「J1昇格という高い目標を本気で目指せるメンバーを揃えました。節目の年にこれまで以上に努力をして成長した姿を見せたいと思っています」と力強く語っていました。
続いて新加入選手、既存の選手が順番に登場。 全選手が揃った中で、濱崎監督は「一度も見たことのないJ1に間違いなく目指していきます。我々が信じるもの、望むものに必ず進んで、今季の終わりには皆さんと笑えるようなシーズンにしたいです」と覚悟を顕にしていました。 選手代表は水戸のレジェンド・本間幸司選手。 加入した26年前から現在まで振り返り、「苦しいことが大半。約500名の選手やスタッフが繋いでくれた想い、残してくれたDNAを大切にしながらも、変わらなければいけません」と語り、『サッカーは人生と同じく、何が起こるかわからない』と元日本代表監督のイビチャ・オシム監督の言葉を引用しながら、「僕は26年前に奇跡を経験しています。スタッフたちとJ1昇格を本気で叶えられると信じて戦っていきます」と決意を表明しました。 水戸ホーリーホックは1月25日~2月4日まで沖縄県豊見城市でキャンプを敢行。 Jクラブとのトレーニングマッチや豊見城市のサッカー少年少女らへのサッカー教室なども予定される中、各選手のスペシャリティを活かして新旧融合を図り、ネクストステージへと向かいます。 2月10日は県立カシマサッカースタジアムで鹿島アントラーズと恒例のプレシーズンマッチを実施、2月24日にいわきFC戦でJ2開幕を迎えます。
熱いプレゼンで会場騒然!!白熱の「ホームタウンPR大使ドラフト会議」
そして第二部のホームタウンPR大使ドラフト会議へ。 水戸ホーリーホックはホームタウン15市町村の全てにPR大使を配置し、各選手やグループが名スポットや特産品、イベントなど、主にSNSを通じて紹介しています。 昨年からPR大使をプロ野球と同じくドラフト会議で決定する形式に変更。 クラブ側が事前に選んだペアやトリオのグループが、ホームタウン担当者が一堂に会する中でプレゼンテーション(プレゼン)し、その後に各市町村が希望のグループを指名します。 一発芸など爆笑に湧くプレゼン、複数市町村の競合によってドラマが繰り広げられる目玉イベントです。
小島社長、細川CRC、ドラフト会議を熟知する野球好きの中山開帆選手がMCを務める中、各選手はユニークなプレゼンを実施していきます。 トップバッターの本間幸司選手・髙岸憲伸選手・新井晴樹選手のトリオは、日立市出身のレジェンドを全面にプッシュ。 昨年のPR大使のMVPは安藤瑞季選手。石井隼太選手とペアを組んだ安藤選手は、昨年の実績をアピールします。 村田航一選手・内田優晟選手・尾野優日選手のグループは、水戸6年目の村田選手がコーヒー、料理、ギターやウクレレ演奏など多趣味で幅広い層を狙えることを訴えました。
ルーキー達はインパクト重視の一発芸で勝負。 得能草生選手と久保征一郎選手の大卒組はシンクロ芸を、碇明日麻選手は「えなりかずきです!中村憲剛です!ナナフシです!合体!碇明日麻です!」とお笑いコンビのトム・ブラウンの人気ネタで、尾野選手は腹筋芸で会場を沸かせました。
他クラブからの移籍組も負けていません。 プロレス好きの松原修平選手は「色んなクラブに行きましたが、世界で一番水戸ホーリーホックが好きです」「県外から人を連れてくることができますし、皆様の街に金の雨を降らせてあげます」とSANADA選手やオカダ・カズチカ選手の決め台詞で自身を獲得するメリットを強調。 SNSに立派な手料理を度々アップしている飯泉涼矢選手は「地域の特産品を使った料理をしたいです」と食の面での貢献を約束していました。
昨年、なかなか選出されず、最終巡まで残った前田椋介選手は「昨年、最後まで選ばれなかったのは相方(長井一真選手)が悪かった」と話すと、その言葉を受けて長井選手は「気に食わない!僕のせいじゃないです!」と舌戦を繰り広げ、前回は最下位だった大崎航詩選手は、「本当にどこでもいいのでお願いします!」と懇願して会場の笑いを誘っていました。
ホームタウン15市町村の担当者らは、プレゼン終了と同時に獲得希望のグループをランキングしてステージ中央の箱に投函。 いよいよ運命のドラフト会議の第1巡目がスタートすると、案の定、争奪戦が勃発。 村田・内田・尾野選手トリオに過去最多となる5市町が競合。 そして、昨年のPR大使MVPを擁する安藤・石井選手ペアは3市町、梅田魁人・ 甲田英將選手ペアは2市町が獲得を希望しました。 競合した市町はクラブが指定した順番でステージ中央に置かれた箱から封筒を取り、一斉に開封。 大子町の担当者が当選の紙を掲げると、村田・内田・尾野選手トリオは笑顔で登壇。 続いて、安藤・石井選手ペアはひたちなか市に、梅田・甲田選手ペアは笠間市PR大使に就任しました。
昨年も本間選手の獲得を狙っていた日立市は念願叶って、本間・髙岸・新井選手のグループをゲット。 長井・齋藤選手ペアは水戸市、前田・牛澤選手ペアは那珂市、杉浦文哉・長尾優斗選手ペアは城里町、中山・井上・碇選手トリオは東海村に決定しました。
二巡目も票が偏り、寺沼・得能・久保選手トリオに4市町が集中。競合の末、小美玉市がドラフトマークの用紙を天に掲げます。 春名・飯泉選手ペアは2市町が争い、茨城町が無事に当確。 大崎・山崎選手ペアは大洗町が単独指名によって決定しました。
三巡目は4市町による競争に。 次第に市町担当者の表情が曇り始め、未選出のグループに焦りが見え始めます。 所用により欠席していた草野侑己選手はビデオ通話によるアピールをし、一人でプレゼンしていた新加入の田平起也選手を応援。 その結果、草野・田平選手ペアは北茨城市に決定します。
ホームタウンの中でも水戸ホーリーホックとのコラボレーションに力を入れ、昨年は市長と選手、小島社長で街のプロモーションビデオを作成し、選手を竜神大吊橋のバンジージャンプに挑戦させる常陸太田市。 今年はどのグループがバンジージャンプ担当になるのか注目を集める中、今年は山田奈央・野瀬龍世選手のインドア派ペアに決定しました。
最後は高萩市と常陸大宮市の一騎打ち。 高萩市がクールで落ち着いた雰囲気の楠本卓海・落合陸選手ペアを獲得します。 そのため、今年最後まで残ったのは松原・後藤田選手ペア。 市町村担当者がオカダ・カズチカ選手のパロディだと気付かずにビッグマウスと捉えられてしまったのか、単純に惹きつけられなかったのか。三巡目もどこにも指名されず、床に転がり、頭を抱える姿に会場が爆笑! 松原・後藤田選手ペアは常陸大宮市に確定した瞬間、担当者を熱いハグでサンド。 きっと常陸大宮市に〝金の雨〟を降らせる〝レインメーカー〟になってくれることでしょう。
他県出身の10代や20代前半の選手が多い水戸ホーリーホック。 地元民がなかなか気付かないフレッシュな視点でホームタウンを再発見し、全国や世界に向けてその魅力を発信してくれることでしょう。
ホームタウン15市町村 PR大使 ■水戸市 88 長井一真/38 齋藤俊輔 ■日立市 1 本間幸司/6 髙岸憲伸/7 新井晴樹 ■ひたちなか市 9 安藤瑞季/42 石井隼太 ■笠間市 20 梅田魁人/23 甲田英將 ■那珂市 10 前田椋介/33 牛澤健 ■小美玉市 45 寺沼星文/30 得能草生/22 久保征一郎 ■常陸太田市 4 山田奈央/13 野瀬龍世 ■北茨城市 11 草野侑己/16 田平起也 ■常陸大宮市 2 後藤田亘輝/21 松原修平 ■高萩市 5 楠本卓海/8 落合陸 ■茨城町 51 春名竜聖/35 飯泉涼矢 ■城里町 14 杉浦文哉/15 長尾優斗 ■大洗町 3 大崎航詩/24 山﨑希一 ■大子町 19 村田航一/49 内田優晟/18 尾野優日 ■東海村 41 中山開帆/77 井上怜/32 碇明日麻