社会人野球最高峰の都市対抗野球大会初制覇へ!
JR日立駅から数分の工場が立ち並ぶ会瀬洞門通りを挟んだ向かい側。日立製作所野球部のホームグラウンドである会瀬球場には、日々練習に励む選手たちの声が響きます。
都市対抗野球、日本選手権という社会人野球二大大会へ多くの出場経験を誇るこの野球部。特に都市対抗野球には34回という全国屈指の出場回数を誇ります。
しかし、社会人野球最古の歴史がある日立製作所野球部でも、まだその頂点に立ったことはありません。創部からちょうど100年目となる2016年、新たな歴史を刻む戦いが始まります!
(※内容は2016年3月25日時点のものです)
日本選手権ベスト8も悔しさの残った2015シーズン
1985年に入社し、野球部の監督を務める和久井勇人さん。ラーメンが好きで、いくよ食堂によく行くのだとか。
普段は午前中に出社し午後から練習。しかしシーズン前の午前中は全体練習、午後は各自が課題とする練習に取り組みます。
社会人野球二大大会のひとつである社会人野球日本選手権。毎年晩秋に開催され、その年のシーズンを締めくくる大会です。最終予選を勝ち抜いたチームのほか、主要な地区の連盟が主催する大会などで優勝したチームだけが出場できるこの大会。日立製作所野球部は、昨年5月に行われたJABA(日本野球連盟)九州大会での激闘を制し、見事優勝を飾りました。緊迫した接戦あり、大逆転劇ありと、苦しみながらも勝利を掴み、日本選手権への出場切符を手にします。そうして迎えた本選、順調に1回戦を勝ち上がり、2回戦はサヨナラ勝利で3回戦準々決勝へ進出。そんな準々決勝は惜しくも僅差で敗れましたが、結果は堂々のベスト8。2015シーズンを振り返り、「締めくくりの大会である日本選手権でベスト8という結果を残すことができて、2016年シーズンへ良いはずみとなりました」と和久井勇人監督は話します。しかし同時に「(2年ぶりの出場となった)昨夏の都市対抗野球大会での1回戦敗退、それが一番印象に残った悔しいシーズンでした」とも。バッテリーを中心ととした守り勝つ野球を信条にチーム作りを行ってきた和久井監督にとって、守りの野球の真価が発揮できなかった都市対抗野球。そのことが悔しさをにじませる一番の要因でした。雪辱を果たすべく、シーズンオフの練習がスタートしました。
練習に励むオフの期間には地元で少年野球教室の開催も
日の立ち昇るところ領内一と呼ばれる日立市で迎えた2016年最初の練習は1月5日から開始。最初に和久井監督が取り組んだのは『接戦に勝つ力をつける』ための練習でした。まずは日立製作所野球部を背負って立つバッテリーの強化。猿川、山本、荻野という投手三本柱をはじめ、昨シーズンを肉体改造に捧げた樋口投手、さらに2016年の新メンバーの加入により競争を刺激化。野手よりひと足先に沖縄での春季キャンプに向かい、綿密な調整を行いました。そして、野手が力を入れたのはバントやヒットエンドランという、確実に1点を取りに行くための技術向上。攻守がかみあい、失点を抑え、相手より1点多く取って勝つ。和久井監督の目指す『接戦を守り勝つ野球』を実現するため、年明けからは休みがほとんどありません。この期間、選手達は2012年に建替えを行い、トレーニングルームも備えた『恒心寮』で生活。コンディショニングコーチがつき、良質なタンパク源である鶏ササミを朝昼晩と食べ、栄養面からパワーアップを図るなど、技術面だけでなく肉体面もケアしました。余談ですが、寮で行う焼肉はJR日立駅すぐ近く、幸町の登利要肉店からたくさんの肉を購入するのだとか。3月からは開幕前の練習試合であるオープン戦も連日行い、2016年のシーズンに向けて準備も万端です。
そんな野球漬けの毎日ですが、地域との関わりも欠かしません。日立製作所野球部は1989年から春と秋の2回、日立市内の野球スポーツ少年団を対象にした「少年野球教室」を開催。これは地元野球スポーツ少年団のレベルアップを目的とし、野球部の現役選手が直接子ども達を指導するというもの。昨年末、2015年12月6日(日)に開催された秋季少年野球教室では、15の少年団から約140名もの子ども達を招待しました。投手&捕手グループにはピッチングをはじめバッテリーに必要な技術・知識、また基礎的な体の使い方に関するトレーニング指導を実施。野手グループには内野・外野の守備とバッティングの指導を行いました。「選手達は教えることの難しさを体感しながらも、一生懸命に、なにより楽しく子ども達の指導に当たっています」と和久井監督。子ども達とのふれあいを通し、改めて野球の楽しさ、面白さを実感。日頃の厳しい練習とはまた違う形で野球に携わることで、子ども達だけではなく選手にとっても代えがたい一日になっています。また、日頃応援してくれる地域の人たちと交流する場ともなっていて、毎回好評を得ています。
野球部主将の岡崎啓介選手。クリーンナップを務めることが多い三塁手です。座右の銘にも掲げる『真っ向勝負』でチームを引っ張ります!
投手三本柱の一角、猿川拓朗選手。「勝負どころで投げきることができる、良い投手から勝てる投手へ成長してほしい」と監督の期待もかかるエースです。
創部から100年目の節目は黒獅子旗奪取に向けて
制球力が持ち味の樋口宇大選手。2015年シーズンは別メニューをこなし、1回りも2回りも成長。今シーズンに真価を発揮する秘密兵器です。
中園雄一郎選手は女房役である捕手として活躍しています。負けた悔しさも勝った喜びも力に変え、常に成長を続けていると監督も評します。
日立製作所野球部のシーズン開幕戦は4月2日(土)に行われる第5回日立さくら杯社会人野球大会。2012年、2013年に都市対抗野球で連覇を果たした横浜市のJX‐ENEOSを招き2012年から開催しています。また、4月15日(金)から地元・日立で行われる日立市長杯。そして、各地区主催の大会に出場しながら、茨城県予選・北関東予選を勝ち抜き、7月15日から開催される都市対抗野球。今回で87回を数える大変歴史のある大会です。34回という出場回数を誇る日立製作所野球部も、まだこの大会で優勝したことはありません。今年は創部からちょうど100年目の節目の年。「良いプレッシャー、良い緊張感の中、選手達は意気に感じながら練習ができています」と和久井監督は話します。東京ドームでの借りは東京ドームでしか返せないと、昨年の都市対抗野球の雪辱を誓う日立製作所野球部。『変化の先に道拓く〜100年目の誓い〜』という2016年のチームスローガンを胸に、まずは本選出場をかけた茨城県予選。優勝チームに贈られる黒獅子旗を目指し、新たな歴史を刻む戦いが始まります!
日立製作所野球部 インフォメーション
【日立製作所野球部】
http://www.hitachi.co.jp/sports/baseball/index.html
TEL0294-55-0018(後援会事務局)
チームのさらなる強化、球場の華である応援団の強化を目的とした野球後援会。平成17年に都市対抗野球で最優秀賞を獲得するなど、オレンジカラーに身を包んだ応援団からも目が離せません!後援会入会方法は上記ホームページをご確認下さい。
●公式戦スケジュール●
2016年4月2日(土)11:45〜 第5回日立さくら杯社会人野球大会 vs JX-ENEOS(日立市民球場)
2016年4月15日(金)〜4月18日(月) JABA日立市長杯(日立市民球場、会瀬球場)