大地を震わす存在感と雅やかな音を併せ持つ和太鼓。
その歴史は古く、縄文時代には情報伝達手段として、また、戦国時代には士気を高めるため戦場で使われるなど、日本人の歴史とともに受け継がれてきました。
そして今もなお、祭りには欠かせない存在として生活に深く根付き、時代を超えて愛され続けています。
(※内容は2016年9月25日時点のものです)
古河の地では、歴史ある文化を後世に残そうと、各自治体が伝統芸能保持や町おこしに力をいれ、祭りやお囃子、和太鼓などの存続を強化する動きが20年程前から続いています。そうした動きを受け結成された『古河和太鼓保存会』は、今年で10年目を迎えます。地域の人々に元気と感動を与えたいとの想いから、会長の鈴木寛さんを中心に2006年に発足されました。現在は小学生から大人まで約50名が在籍し、日々練習に励んでいます。
練習は成人の部と児童の部に分かれ、互いの音を聴きあいながら呼吸をあわせて演奏されます。「ドンドンドンッドドッドドン」「ドンドンッカッドッドッドドン」練習が始まると、それまでの和気あいあいとしていた雰囲気とは打って変わって、引き締まった表情を見せるメンバーたち。そして、音の重厚感と歯切れの良いリズム。聴く者の五臓六腑にずっしりと響きわたるその迫力に、血が騒ぐような興奮がわき上がってきます。
『古河和太鼓保存会』は古河市のイベントを中心に活動する傍ら、コンテストなどにも積極的に参加しています。2012年に筑西市で開かれた郷土芸能育成継承者太鼓コンクールでは見事銀賞に輝き、2015年9月には埼玉県鴻巣市で行われた和太鼓の日本一を競う東日本大会に出場を果たしました。また、老人ホームや福祉施設、小中学校などでも演奏を披露しており、出演依頼が後を絶たないといいます。
鈴木会長に保存会のメンバーについて伺うと、「下は小学1年生から、中学生・高校生・大学生・社会人と、さまざまな年齢層のメンバーが在籍しています。
親子で和太鼓を叩いている方も多いです。5年や7年など、長くやってくれている子たちもいますし、年齢的に私が一番上なせいか、みんな自分の子どものように感じているので、和太鼓保存会はひとつの大きな家族のような存在になっています」と優しい笑顔を見せました
古河和太鼓保存会 会長 鈴木 實 さん
今年6月、『古河和太鼓保存会』は発足から10周年を迎え、埼玉県加須市で10周年の記念コンサートを行いました。すると、会場となった加須市北川辺生涯学習センター(みのり)には400人もの観客が詰めかけ、保存会の演奏に大きな声援と拍手を送りました。
「コンサートに来ていただいた、400人の方にアンケートを配らせていただいたんですが、『感動しました』『元気がでました』などの声を沢山いただけて、本当に嬉しかったです。聴いてくださる方々に、元気と感動を届けたいという想いを胸にこれまでやってきたので、10年間の想いが報われた気がしました。次の世代の人を育てながら、技術を伝承していく難しさなど、保存会についての課題はいくつもありますが、これからも皆さんに元気と感動を届けていきたいと思っております」
鈴木会長は、応援してくれる人たちへの感謝とともに、今後への想いをそう語りました。
互いの心を響かせあいながら奏でる和太鼓の調べ。『古河和太鼓保存会』はこれからも多くの人の心に元気と感動を与え続けていくことでしょう。
古河市では主に、桃まつり、古河和太鼓フェスティバル、よかんべまつり、提灯竿もみまつりなどに参加しています。市外の行事にも積極的に参加し元気いっぱい演奏しております。また学校公演、老人センター慰問などボランティア活動にも励んでおります。
次は11月上旬に開催される 「古河よかんべまつり」に参加します!
2016.4.2 古河桃まつりにて