古河歴史博物館
コガレキシハクブツカン
歴史の街古河に建つ土蔵風の歴史博物館。
4.9 ★★★★ ☆ 総数34 (7件)
古河城の跡地に建てられた土蔵風の白壁に瓦屋根の博物館が「古河歴史博物館」です。周辺景観を生かし吉田桂二氏によって設計されたこの建物は、平成4年(1992年)の日本建築学会賞、平成8年(1996年)の公共建築賞を受賞しています。
主な収蔵品は、古河藩家老鷹見泉石が収集・記録した蘭学関係資料、原始古代から近現代の歴史の概観、奥原晴湖や河鍋暁斎らの書画作品などで、それらをテーマ別に3つの常設展示室に展示しています。またホールにはオランダの楽器ストリートオルガンがありその音色を楽しむこともできます。
毎年8月14日・15日の夜間は「夢あんどんと夕涼み」を開催して多くの来館者を集めています。
古河藩の家老・鷹見泉石が遺した貴重な資料・収集品を収蔵しています。
おすすめポイント・メニュー
【⼊館料】
◇⼀般400円(20名以上の団体300円)、⼩中⾼⽣100円
◇3館共通券600円(⽂学館・歴史博物館・篆刻美術館)
基本情報
| 住所 | 〒306-0033 茨城県古河市古河3-10-56 |
|---|---|
| アクセス | ■JR宇都宮線「古河駅」から徒歩15分 ■東武鉄道⽇光線「新古河駅」から徒歩25分 ■東北自動⾞道「羽⽣IC」「館林IC」「加須IC」から約30分、「久喜IC」から約40分 ■圏央道「五霞IC」から約25分、「幸⼿IC」「境古河IC」から約30分 |
| 電話番号 |
0280-22-5211 |
| 営業時間 |
9:00〜17:00(⼊館は16:30まで) |
| 定休日 | 国民の祝日の翌日、年末年始、館内整理⽇など ※詳細はホームページでご確認ください |
| 駐車場 | 有り |
| ホームページ | ホームページはこちらから |
アクセス
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最新クチコミ
メタボン
投稿日:2025年09月25日
「敬老の日」に久しぶりに再訪です。常設展の他、開催中の企画展「古河駅140年」と特別陳列「第83期名人戦七番勝負古河対局記念」を観覧しました。 企画展は、今年が現JR東北本線(宇都宮線)古河駅開業から140年目という節目を記念したもの。東北本線(宇都宮線)が茨城県内最初の鉄路で、その中の古河駅が県内最初の駅であることを初めて知りました(ついでながら、新幹線が通っているのにその駅がない唯一の県は茨城県、と言うのは結構知られている?)。また、利根川を越えるための「栗橋鉄橋(利根川橋梁)」が明治期に建設され、これにより上野駅-宇都宮駅間が全通したわけですが、その鉄橋は当時日本一の長さ(461m)だったことも初めて知ったものです。さらに、古河駅を通る幻の鉄道計画が過去いくつもあったという事実はちょっとした驚きでした。 いっぽう、特別陳列は、藤井名人vs.永瀬九段による第83期名人戦七番勝負第5局が、今年5月29-30日に古河市内で開催されたことを記念したもの。「千日手が紡いだ古河の奇跡」と、やや大仰な副題が添えられており、当時の逆転劇を、使用された将棋盤・駒(駒箱)・封じ手・棋譜・勝負めし等で振り返っています。歴史あるタイトル戦が茨城県内で開催されるのは初めてとのこともあってか、関係者の興奮の余韻を感じました。
メタボン
投稿日:2024年05月05日
GW中に再訪。初訪時は、江戸後期の古河藩主・土井利位の雪の結晶観察図や、利位に仕えた家老・鷹見泉石の関係史料等の観覧程度で時間切れとなったため、今回はその続きの展示(縄文期~近代の古河の概史)を観覧しました。縄文期の古河は縄文海進により臨海地であり、よって貝塚も多く存在すること、古墳期では古墳(群)が約30ヵ所に点在するほど多く、万葉集には「許我(古河)」の地名を織り込む東歌が2首遺り、かつ「許我の渡し」の存在を推定させることなど、古くから古河は大集落地で、かつ名のある交通の要衝として人の往来が盛んな地だったことを想像させます。また平安末期、以仁王に平氏追討の令旨を発出させて源平合戦の端緒となったものの、敢えなく宇治平等院の戦いで敗死した源頼政に関わる神社(頼政神社)や、源義経滅亡を知って行く末を思案したという愛妾・静御前に関わる遺跡(思案橋、光了寺)が市域内にあることも、今回初めて知りました。さらに日本史上、古河が重要になった時代は、やはり室町~戦国期の古河公方5代の時代であると理解しました。なお、江戸期に古河藩医・河口信任が自ら人体解剖し、日本で初めて脳・眼球を、それに各種内臓(食道・気道・小腸・大腸・膀胱等)を彩色図で記録(解屍編)していたという展示は、「解体新書」出版に先立つことと相俟って、日本の医学史上における偉業の一つと強く感じました。
メタボン
投稿日:2022年07月25日
日曜午後、古河城諏訪曲輪跡地に建つこちらの博物館に初訪問。周囲には堀や土塁等、城跡を窺わせる構造がそこかしこに見られます。受付でコロナ対策のための連絡先記入等を行い、ロビーで展示されている、古河藩主・土井利位が雪の結晶を観察して描写した図鑑「雪華図説」(1832年刊行)を眺めました。この雪華と言う意匠は利位自身が身の回りの調度品・道具類さらに菓子の形にまであしらって愛用したとか。また後世、雪華は「大炊(おおい)模様」という名称で、工芸品(漆器・陶磁器等)や浮世絵等に盛んに利用されているとのことで、この意匠の成立過程がよくわかりました。さらに、珍しいオランダ製ストリートオルガンがロビーにありましたが、時間の都合で鑑賞できませんでした。企画展示室では「記憶をきりとる写真」展が行われており、古河市内の戦後間もない頃の風景や幕末期以降の古い肖像写真、廃城となって以降の古河城の写真等があって興味深いです。常設展示室では、蘭学者・渡辺崋山による古河藩家老・鷹見泉石の肖像画(国宝)が最初に出迎え、泉石の所有資料が豊富に展示されています。訪問時は黒船来航時の記録資料(国重文・ペリー横浜入津図、ペリー横浜来航図等)やアヘン戦争関係の資料が展示され、当時の克明な記録を目の当たりにできました。さらに当時の世界・日本・古河藩内の古地図等や、藩主・利位が大坂城代であった際に発生した「大塩平八郎の乱」の泉石による鎮圧の顛末、その際に使用された「召し捕り棒」が興味深いです。これらをじっくり見学したため閉館時間となってしまい、古代や中世・古河公方時代の展示、また博物館向かいの鷹見泉石記念館は、残念ながら次回に観ることにしました。