もし災害が起きたら、あなたのペットをどう守れますか?
毎年9月は「防災月間」。地震や台風など災害の多い日本では、私たちだけでなく、大切な家族であるペットの命を守る備えが欠かせません。本記事では、ペットのための防災準備を徹底解説。避難情報の見方やハザードマップ活用法、備蓄リスト、そして「同行避難」のポイントまで、飼い主が知っておくべき実践的な対策をまとめました。
目次
動物愛護担当 勝倉さんインタビュー
もしもの時も一緒に ―― 飼い主ができる防災準備
大事な家族と一緒に守る命 ペットと避難するための備え
日本は災害大国。特に茨城県は地震や台風、大雨などの自然災害が多い地域で、常日頃から十分な備えが欠かせません。
茨城県保健医療部生活衛生課動物愛護担当の勝倉奈津さんは「飼い主が安全に避難するためにも、なるべく早くペットの防災準備を整えて万全を期すようお願いしたいです」と強調します。

茨城県保健医療部生活衛生課動物愛護担当/主事 勝倉 奈津さん
東日本大震災を機に本格化したペットの防災について、茨城県では「飼い主とペットの備えチェックリスト」に重要なポイントをまとめています。
まず日頃の準備として欠かせないのは、しつけと健康管理です。避難先ではケージやキャリーバッグでの移動・生活が必要になるため、普段から安心できる場所として慣れさせておくことが重要です。むやみに吠えないことや、決められた場所で排泄できることなどのしつけも大切です。
また、被災時には人間だけでなく、ペットにも大きなストレスがかかり、病気や感染症にかかりやすくなります。日頃から体を清潔に保ち、ワクチン接種を行うなど、健康管理にも努めましょう。
必ず迷い犬や猫にしない!住まいの安全と健康の確保も
所有者の明示と逸走の防止も重要です。災害でパニックになったペットは、家を飛び出してしまうことも少なくありません。たとえ離れ離れになっても、迷子札や鑑札、狂犬病予防注射済票を付けていれば再会できる可能性は格段に高まります。そのためにも、首輪を嫌がらないよう日頃から慣れさせておきましょう。

ペット同行避難訓練の様子
また、住まいの防災対策も欠かせません。災害時にペットを守るには、まず飼い主自身の安全確保が前提です。家具や飼育ケージを固定し、転倒や落下を防ぐことで、人とペット双方の安全につながります。
さらに、ペット用の備蓄品も忘れてはなりません。避難所にはペット用品があるとは限らないため、保存のきく水やフード、薬を最低5日、できれば余裕をもって一週間分用意しておくのが理想的です。愛犬や愛猫の情報を記した『ペット防災手帳』を作成しておくと安心です。
事前の準備で安全に同行避難 みんなで共有して互いの配慮を
最後に、ペットと同行避難できる避難所や避難経路の確認をしておきましょう。自治体のホームページなどで地域の避難所情報は公開されているので、ペットの同行避難が受け入れ可能かどうか事前にチェックしておくことが大事です。
また、日頃から親族や近所の方、ペット仲間と非常時の対応を話し合っておくのも有効です。茨城県ではピットブルや土佐犬など、県が定める特定犬は同行避難ができないため、一時預け先を複数確保しておく必要があります。ペットを含めた防災行動計画「マイ・タイムライン」を作成し、安全な避難方法を検討しましょう。
勝倉さんは「ペットの同行避難に関する認知度は、依然として低い状況です。飼い主はもちろんですが、避難所ではペットを飼っていない人の理解も必要です。皆さんにペット防災についても関心を持っていただければ幸いです」と呼び掛けます。
防災は思いやりの第一歩。もしもの時に、大切な家族を守れる備えをしておきましょう。

お問い合わせ先
茨城県保健医療部生活衛生課
住所 茨城県笠原町978-6
電話番号 029-301-3418
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県内の避難発令情報や避難所の開設状況、その他防災に役立つサイトのリンク集を確認できます
茨城県・防災・危機管理ポータルサイト茨城県内で発令中の気象警報・注意報、土砂災害警戒情報、避難情報、地震情報、津波情報の地図などが確認できます。
環境省「ペットの災害対策」災害時にペットと安全に避難するための情報や、避難所でのペットとの生活に関する情報を確認できます
環境省「ペットも守ろう!防災対策」災害時にペットを安全に避難させるための様々な対策が確認できます。