ショートストーリー
明日への贈り物 Episode13
気付かない内に心理的虐待をしていた夫婦
いばらきの子どもと子育てファミリーへある家族の物語をご紹介します。
この物語が誰かの救いや気づき、そして児童虐待防止につながることを願って。
児童相談所からの1本の電話険悪な夫婦関係から抜け出した今
ある日、家の電話が鳴った。児童相談所からだった。小2の息子が担任の先生に「パパとママが喧嘩をしてるから家に帰りたくない」と度々話していたことがきっかけらしい。
我が家はコロナ禍の影響で、私も夫も在宅勤務の日々。1人の時間が取れないし、ストレスも溜まるばかり。夫婦喧嘩が耐えず、いつも怒鳴り合っていた。
電話先の担当者が話す。
「お母さん、お二人の喧嘩は面前DVといって心理的虐待にあたるんですよ。改善が見られない場合には息子さんは一時保護になります。」
何気なくエスカレートしていた喧嘩が虐待にあたることがショックだった。何より息子に申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになった。
夫と話し合った結果、疎遠だった互いの両親や妹夫婦に現状を包み隠さずに話してみた。今まで話さなかった分、それぞれがとても心配してくれた。それ以降、両親たちと連絡を取るようになり、息子もオンラインで皆と話すのが楽しいようだ。
そして少しでも互いに1人の時間を作ると、3人の時間も大切に思えるようになった。今、以前のような夫婦喧嘩はない。むしろ、家族の時間を楽しくしようと3人で奮闘中だ。
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています