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2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権Rd.3-4
野尻智紀選手の地元もてぎ

復活を誓う元チャンピオン
茨城県の隣、栃木県もてぎ町のモビリティリゾートもてぎ。SUPER FORMULA選手権を戦う野尻智紀選手の地元、筑西市からもほど近い国際サーキットです。
オートバイレースの最高峰motoGPが開催される日本唯一のサーキットとしても名を馳せるもてぎ。ブレーキに厳しく、オーバーテイクの難しいサーキットとしても知られています。それゆえに予選の順位が非常に重視されるこのコース。1大会2レース制という今シーズンのレギュラーフォーマットでは、土曜の調子がこの週末の全てを決めると言っても過言ではありません。
そんな野尻選手の地元レースをレポートします。
苦しむ2025シーズン序盤

出口の見えない迷宮に迷い込む
SUPER FORMULA選手権は全車同じシャシー、同じタイヤで争っており、エンジンはトヨタとホンダの2社のエンジンがあるものの、主催者によってコンピューターで性能調整が行われています。そのため、非常にイーブンコンディションで行われるレースです。車高や4輪の重量、ブレーキバランスや剛性、そして空力特性など、細かい調整が勝利の鍵を握ります。それは僅か0.1㎜、数グラムで異なる動きのマシンになってしまうとか…。
今回、STOP & GOのもてぎを攻略するために野尻選手とエンジニアが用意したのは非常に回頭性の良いマシン。しかし、それは金曜の公式練習から予想していた動きと異なる結果となってしまいました…。暴れるマシンに焦燥感を感じずにはいられない野尻選手。大きくセットアップを変えていくも思ったような感度のないマシン。タイムこそ3番手なもののチームは暗く重い空気に包まれてしまいます。午後の公式練習でもタイムは6番手…。翌日の予選に向けて暗雲が立ち込めました。
Round 3 MOTEGI

圏外も見えたレースで2ポイントを獲る
1日で公式予選と決勝が行われる今大会のフォーマット。予選A組に振り分けられた野尻選手。試行錯誤を重ねたセットで走り出すも、根本的な問題点は解決されていませんでした。
1コーナーブレーキの瞬間大きく動くマシン。姿勢が乱れるマシンをコントロールする野尻。ここでポールポジションを獲得すれば、連続ポールポジション記録で単独首位に立てるチャンスでしたが、とてもそんな状態ではありませんでした。A組を3番手でフィニッシュ。Q1はしっかりと通過してみせます。そして勝負のQ2。コースインの瞬間に曲がらないマシンであることを直感的に感じた野尻選手。それでもその中でアタックを敢行します。なんとか8番手で決勝へと望みを繋げます。
そしてはじまった午後の決勝。決勝は波乱のスタートとなりオープニングラップの1コーナーでクラッシュが発生。すぐにSC(セーフティーカー)が導入されます。ピットがオープンになった10周目に野尻選手はすぐにピットイン。10番手まで順位を落としますが、後半へ向け、タイヤを温存しながら順位をキープする走りを心掛けます。全車両がピットインを完了すると野尻選手は9番手に…。タイヤ交換後からずっと背後に付かれた14号車を見事に抑えて切って2ポイントを獲得しました。
Round 4 MOTEGI

変わらぬマシンに隠せない苛立ち
翌日曜の公式予選。前日の長いミーティングで話し合った結果、マシンの動きは前向きに変わってきたものの、それでも根本的な問題点は変わりません。前日同様A組に振り分けられた野尻選手。11台の車両が続々とコースインしていく中、野尻選手もタイヤチェックを行うためにコースイン。ドラスティックに変えたセットアップに、どういった動きをするか分からないマシンを制御して4番手のタイムでQ2へと進みます。微調整をしてマシンを再度コースへ運びます。今年から新しくなったタイヤに苦しむ野尻選手はここでもやはり厳しい感触。トップからコンマ8秒近く遅れての7番手となってしまいます。
そして午後の決勝。またしてもオープニングラップでSCが導入されてしまいます。第4戦はピットオープンがオープニングラップからだったため、1周目から続々と各チームがピットへ雪崩れ込みます。野尻選手もこのタイミングでピットへ…。しかし、このピット作業でまさかのミスが発生してしまいます。大きく順位を落としてしまった野尻選手は14番手へ…。周回を重ねるたびに順位を落としていく野尻選手。全車両ピット作業を完了すると野尻選手は10番手まで順位を回復しますが、後ろには4号車ザック・オサリバン選手…。しかし、この追撃もなんとか交わし貴重な1ポイントを手にしました。「次の公式テストまで流れは変わらないかもしれませんね…」と落胆する野尻選手。後半戦に向けて巻き返すために準備に入ります。

第3戦、第4戦ともに苦しいレースとなってしまった野尻選手

シリーズタイトルにも暗雲が立ち込めるもてぎとなってしまった

第3戦を勝利で飾ったのはチームダンデライアンの牧野任祐選手

第4戦は牧野選手のチームメイト太田格之進選手が優勝