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2025 SUPER GT ROUND2 FUJI GT 3HOURS RACE GW SPECIAL
水戸市に居を構えるレーシングチームHELM

平木湧也選手&平木玲司選手
最も人気を集める国内レースSUPER GTシリーズ。トヨタ、ホンダ、日産といったメーカーが直接参戦するGT500クラスと、フェラーリやポルシェといった世界中のスポーツカーが集まったGT3クラスのマシンで構成されるGT300クラスで争われるレースです。
そのGT300クラスに日産GT-Rで参戦するのが水戸市の地域密着型モータースポーツチームHELMです。
兄・平木湧也選手と弟・平木玲司選手のふたりが走るこのチーム!参戦2年目を迎えたHELMの、土日で82,500人の観客が訪れた富士スピードウェイでの熱い3時間の戦いをレポート!
SUPER GTシリーズGT300の難しさ

混走が巻き起こす混沌としたレース
SUPER GTというとトップカテゴリーのGT500クラスばかりに目が行きますが、憧れのスーパーカーが凌ぎを削るGT300クラスも是非とも注目してもらいたいクラスです。
GT500クラスからみればバックマーカーとなるGT300車両ですが、逆の視点で見ると、いかにストレートの速いマシンを先に行かせながらレースを組み立てるかと非常に頭脳を必要とします。そしてキャラクターの異なる13車種ものマシンと性能の違う4つのタイヤメーカーが交錯します。
28台ものマシンが走るため、予選も2組に分けられまずQ1、そのQ1で上位陣が進むことのできるQ2で行われます。さらにGT300クラスは車種ごとの性能を均一化するためにBOP(性能調整)によって吸い込める空気の流量を制限します。
ここ富士スピードウェイは日本有数の長いストレートを持つサーキット。このBOPの値もレースに大きな影響を及ぼします。決勝は3時間の長丁場。ドラマティックなレースに会場は沸き上がりました。
相次ぐトラブルに見舞われた週末

予選はQ2進出するも決勝はリタイア
上々の走り出しからはじまったHELM。いままでにない滑り出しの良さに期待がかかりました。しかし、予選を直前に控えた公式練習の最後にタイヤトラブルを抱えてしまいます。2回に分けて行われる公式予選。1回目の予選で好タイムを残さないと次の予選Q2へ進出することはできません。
公式練習での不安を一掃したのは兄・湧也選手でした。一瞬、マシンのコントロールを失いかけるも、しっかりとタイムを刻み予選Q1を通過。Q2では弟・玲司選手が17番手のタイムを記録しました。
翌日曜決勝も好天の中、レースがスタートします。スタートは玲司選手がステアリングを握ります。3時間でおおよそ500㎞を走るこのレース。玲司選手はスタートからポジションを上げ14番手までGT-Rを前へ押し上げます。しかし、18周目に足回りにトラブルが発生。こらえきれずアウトへマシンを逃がす玲司選手。参戦2年目にしてチーム初のリタイアとなってしまいました。
レースを終えて玲司選手は「ブレーキングした瞬間にトラブルが出てしまいコントロールを失ってしまいました。レースペースが良かったことから、ポイント圏内で終えられていたと思うのでとても残念です」とコメントを残しました。
そんなGT300クラスは逆転に次ぐ逆転!最終ラップにトップを走っていた61号車が炎上。大逆転劇を制したのは6号車のフェラーリでした。
GT500クラス野尻智紀選手

目前に迫った表彰台が…
ここ富士では好調さを見せていた野尻選手がドライブする8号車。しかし、今大会ではいつもと様子が異なっていました。トップから大きく遅れるタイム。マシンのセットアップを幾度も変えるものの好転するきっかけが見つからず…。エンジニアが思い切った方向に舵を切るも先が見えない状態に陥ってしまいます。
公式練習終了後、エンジニアたちとディスカッションを交わす野尻選手と相方の松下信治選手。再度、マシンの調整を行い予選へ臨みます。すると、マシンは見違えたような動き。松下選手がQ1を8位で通過すると、野尻選手は4番手まで順位を上げて予選を終えました。
いい流れで迎えた日曜の決勝。3時間のレースの半分以上を野尻選手が走る作戦をとったARTA8号車。早めにピットに入り、給油とタイヤ交換を終えた野尻選手。1回目のピットを完了すると野尻選手は2位まで順位を上げることに成功します。その後も、高いペースで走り続ける野尻選手。しかし、後半戦に強いトヨタ勢が追い上げてきます。他チームに先駆けてピットへ飛び込みドライバー交代を行った8号車。しかしタイヤに問題がありペースを上げられません。松下選手の懸命な走りとは裏腹に、ドロップアウトするように力なく順位を落としていく8号車。結果、レースを9位で終えることとなりました。
レースは38号車が6年ぶりの勝利を飾りました。

GT300クラスを見事に制したのは6号車のフェラーリ296GT3

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