投稿日:2019年04月21日
下妻市宗道には、素戔嗚尊を祀る宗道神社と阿部宗任・貞任を祀る宗任神社の二つの大きな神社が、南北に並んだ格好で鎮座しています。北側にある宗任神社の裏手に、この江連用水旧溝が存在する旨の案内板が立っていたので、近所の温浴施設に行きすがら、どんな遺構なのか立ち寄ってみました。説明板によると、下妻以南から水海道に至る広い範囲はもともと湿地帯だったが、江戸時代に稲田に開墾されたとのこと。しかし上流域は渇水、下流域は冠水する土地柄だったようで、それを改善するため、1829年(文政12年)に鬼怒川から灌漑用の江連用水を引いたそうです。それにより豊田郡1,654町歩(~16.4km^2)の稲田が水で潤ったとのこと。それで宗任神社裏手の旧溝宮裏両樋ですが、これは1900年(明治33年)に建造された分水施設とのことで、用水を下妻方面と常総方面に分水する施設。二連のレンガ製水門がレトロな雰囲気を醸し出しています。1975年(昭和50年)に新用水路ができて流路変更となり、この施設の本来の目的は失われたようですが、2015年(平成27年)に「国土の歴史的景観に寄与するもの」として、市内初の国登録有形文化財となったそうです。農業施設の文化財は確かに珍しいですね。