ここまで11勝13分17敗の成績でリーグ17位につけ、来季のJ2残留が決定した水戸ホーリーホック。今週末のホーム最終節では、チーム、そしてファンも一丸となって勝利を掴もうと士気を上げています。今回は2023シーズンを振り返りつつ、最終節直前のチームの様子をアツマーレからちょっぴりお届けしたいと思います。
昨年まで2年間のヘッドコーチ期間を経て、今シーズン新監督に就任した濱崎芳己監督。指揮官をはじめ、Jクラブ屈指の若手中心チームは昨シーズンの主要メンバーが数多く残ったことから、新旧融合をしながら攻守の「継続」、そして「練磨」を掲げてチーム史上最高順位に挑みました。
今年2月にホームで開催されたプレシーズンマッチではJ1の強豪・鹿島アントラーズを相手に快勝。今シーズンの上位躍進への期待が膨らむダイナミックなゲームに、詰めかけた満員のスタンドは大きく沸き立ちました。 しかし、シーズンが開幕すると今季のスタイルの肝となる両サイドバックが相次ぎ負傷離脱。本職の選手がほぼ不在となり、ウィングやボランチの選手が急遽対応せざるを得ないというピンチに陥る時期もありました。 急造でポジションをやり繰りする厳しい状況の中、一方では期待の大卒ルーキー・FWの寺沼星文選手や、水戸の選手として2009年以来のハットトリックを達成した安藤瑞季選手など、攻撃陣が躍動。 また、精度の高いパスで得点アシストを量産したボランチの武田英寿選手、豊富な運動量と果敢な仕掛けで数々の決定機を演出したMF小原基樹選手、今シーズン後半戦からDFラインを統率した山田奈央選手らが中心となってチームに安定感をもたらすと、第26節モンテディオ山形戦での勝利を皮切りに10戦無敗を記録。そして4年ぶりの3連勝、クラブ通算310勝目を上げるなど、破竹の勢いで巻き返しを見せ上位浮上を窺いました。
しかし、流れが変わったのは9月23日に行われたホーム第36節、大分トリニータ戦。水戸の攻撃力を封じられこの試合を惜敗で落とすと、ここからチームの勢いは失速。特に直近で戦った静岡県勢との連戦では、藤枝MYFCに前期・後期ともに敗れるシーズンダブルを献上。続く前節、今季最後のアウェイ戦となるジュビロ磐田戦はJ1自動昇格を狙う相手に完敗を喫するなど悔しい結果となりました。 そんな中、その第41節ジュビロ磐田戦では、日立市にある茨城大学工学部の学園祭「こうがく祭」でパブリックビューイングが開催。 水戸を支えたレジェンドの細川淳矢CRCもゲスト参加し、会場では80名以上のサポーターが応援のチャントを叫び、旗を振りながら画面越しで応援。ハーフタイムには細川CRCの質疑応答コーナーが設けられました。 「縦パスやクロスを入れる回数が少なかったのはなぜ?」「細さんならば後半をどう挑みますか?」など前半の戦いに対して率直な質問が寄せられ、細川CRCが丁寧に試合状況やチームの狙いを解説するなど、訪れたファンとの間で内容の濃いやりとりも。 試合は進み0-5の大敗を喫した水戸。6戦も勝利がない状況に肩を落とすファン・サポーターに向けて細川CRCはこう呼びかけます。 「後半の戦い方のイメージを持って、次の清水戦に挑んで貰いたいですね。次戦は清水の昇格を防ぐという大事な役目があります。相手の監督にいい顔をさせないように、皆さん気持ちを切り替えて、応援をよろしくお願いします」
そうです。次節の相手は、ジュビロ磐田、東京ヴェルディと自動昇格の座を争う現在リーグ2位の清水エスパルス。 カタールW杯に出場したGK権田修一選手、元日本代表の乾貴士選手など、強烈な個の能力を持つ選手が各ポジションに揃う難敵です。 今シーズンの開幕戦で水戸と1-1で引き分けた清水にとって、この最終戦で水戸に勝利すればJ1昇格を決められる大一番となりました。 そして、振り返ること一年前。昨シーズンの最終節ではザスパクサツ群馬との一戦を逆転で制し、北関東ダービー王座奪還に沸いた水戸ホーリーホック。ホームスタジアムはまるで優勝したかのような熱気に包まれました。 その中心でトロフィーを高々と頭上に掲げていた秋葉忠宏元監督が、敵軍の指揮官として再びケーズデンキスタジアム水戸に舞い戻り、アウェイから駆け付ける大勢の清水サポーターと共に、この地で一年前の歓喜を再現しようとしています。 その行く手を阻みたい水戸ホーリーホック。 新旧監督対決に挑む濱崎監督は「スタンスとしては変わりません。とにかく自分たちの力を出していくこと。水戸のサポーターに笑顔で帰って貰うことをこの試合の至上命題として取り組んでいきたい」と力強く宣言します。
このままで今季は終われない―――
水戸ホーリーホックに関わる全てのファミリーが抱いている想いです。
プロとしての矜持、意地と覚悟を見せて、我らがホームでの清水の自動昇格を防げるか。そして、来季の希望に繋げる価値ある勝利を掴めるか。
全国のサッカーファンの視線が注がれるこの一戦は、11月12日(日)13時に満員の観客が埋め尽くすホーム、ケーズデンキスタジアム水戸でキックオフ!
今シーズン一番の、大きな大きな声援を!
水戸ホーリーホック公式サイト
(試合日程、チケット情報など詳しくはこちらでチェック)
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