ショートストーリー
明日への贈り物 Episode16
父親と2人の姉弟 愛情溢れる父子家庭の一場面
いばらきの子どもと子育てファミリーへある家族の物語をご紹介します。
この物語が誰かの救いや気づき、そして児童虐待防止につながることを願って。
留守番する小学生の姉と幼い弟 父の帰りを待つひととき
夜の8時のチャイムが鳴った。弟は隣の部屋でもう寝てる。今日も「遊んで」っていうから宿題のドリルがまだ終わってない。
眠くなってきて、字がミミズみたいになってたから、急いで消しゴムで消した。シーンとした部屋はちょっぴり怖い。
お父さん、今日も遅いのかなぁ。大きいトラックを運転するお父さんは時々帰ってこない日もあるけど、今日はカレンダーに丸がついてるから、帰ってくる日。エンピツを持つ手に力が入る。
今日は、近くに住むおばさんが来てくれて、テーブルの上にはラップをかけた肉じゃがが置いてある。
おばさんが来てくれるとおしゃべりができるから楽しいし、ご飯をつくるお手伝いもさせてくれるからいつもワクワクする。今日は、少しだけピーラーでニンジンの皮むきもさせてもらった。「お父さん、喜ぶよ」って、おばさんが言ってくれた。
家にいるとすぐにゴロゴロするお父さんだけど、みんなでお風呂に入って一緒に数を数えたり、公園でかけっこの競争をしたりしてくれる。次のお休みはどこに行くのかなぁ。
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています