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神栖市波崎出身の落語家 柳家三之助師匠

地元凱旋公演「三之助をみたかい?」でもおなじみ♪

茨城県の東端の街、神栖市で毎年春と秋に開催される落語会。その『三之助をみたかい?』の主役・柳家三之助師匠。神栖市出身の落語家として、現在も全国各地を飛び回りながら活躍中!!
いま気になる人物のひとり柳家三之助師匠とはどんな人物なのか?ちょっと紐解いてみました。

(※内容は2016年2月25日時点のものです)

 

全国を飛び回る落語家の最初の出会い

2010年から毎年のように回を重ね、昨年秋に11回目の地元独演会を成功させた落語家・柳家三之助師匠。実は千葉県銚子のお隣でもある神栖市波崎出身の落語家です。『生』の落語が聞きたい人が集まれば、全国どこへでもでかける師匠。事実、独演会のタイトルにもなっている「三之助をみたかい?」は、神栖市の他に、東京、札幌、室蘭、函館、松本、福岡、宮崎、余市や鹿児島など、北から南まで全国を網羅しています。そして、その勢いは日本を飛び出しバンコクまで!!まさに八面六臂のワールドワイドな活躍をみせる落語家です。

 そんな三之助師匠が家族とともに神栖市に転居してきたのは中学生のとき。当時はまだ合併前の波崎町にあった波崎四中に転校してきました。そんな柳家三之助少年は、高校3年生までの多感な時期を波崎で暮らしました。中学時代は吹奏楽部に、そして高校時代は演劇部に燃える日々。その当時の思い出はなんといっても、波崎地区の中でも東端にある土合にあった自宅から学校まで自転車で通ったこと…。その道を見ると当時の事を思い出すのだとか。

 そんな三之助師匠と落語との出会いは中学校2年生のとき。都内に4つある寄席のひとつ「新宿末廣亭」でした。周囲にコンクリートのビルが立ち並ぶ新宿の裏路地の一角。昔ながらの木造建築のその外観に興味を持ちふと足を止めると…、当時ラジオで聞いていた笑福亭鶴光師匠がの名前が…。そんなこともあり、寄席にふらっと立ち寄ったのが落語との出会いでした。

 

人間国宝10代目柳家小三治師匠への弟子入り

大学は上智大学に入学した師匠でしたが、新聞奨学生とデザイン事務所でアルバイトに精を出す日々。その中で、生の芝居や演劇、寄席に通うようになります。まだまだ、世の中は落語ブームとは縁遠いご時世。新宿末廣亭はじめ、おしなべていろいろな寄席に通いましたが、いつしか落語通がたどり着く池袋演芸場に通い詰めるようになりました。

 ふと落語家という仕事に興味がわき、真打になる前の二ツ目の噺家の高座へ熱心に通いました。すると、落語家という職業は、頑張ればアルバイトをせずともやっていける仕事だと感じるように…。このとき落語家への道を進むことを決意。どの師匠に入門しようかと悩む中、95年に10代目柳家小三治師匠の下へ弟子入りを果たします。前座、二ツ目、真打と昇進していく落語界。前座時代は「小ざる」という名前を授かり、そんな小三治師匠の身の回りのお世話など、前座修業を開始することになりました。当時のエピソードとして「なんにでも夢中になるのがうちの師匠…。まじめに寝坊する方で、ある独演会の日、新幹線に乗り遅れそうに…。わたしが先に行ってドアに体を挟んで新幹線が発車するのを阻止して師匠を新幹線に乗せた覚えがあります」と当時の思い出を話す一方。「師匠はとにかく人間味があって面白い生き方をしている人だと、いまでも尊敬しています」と、いまでは人間国宝にまで登りつめた小三治師匠のことを語ります。

 前座を4年間勤め上げ、二ツ目に昇進した三之助師匠。二ツ目昇進の際に、現在も名乗っている「三之助」と改名。そして、03年に行った札幌にその後も足繁く遊びに行くようになったのがきっかけで、現在の「三之助をみたかい?」がスタート。08年から二ツ目ながらも、徐々に全国を飛び回る現在のスタイルを確立させていきます。正式に「師匠」と呼ばれる真打までは11年の歳月がかかりました。しかし、三之助師匠の全国を飛び歩き『生』の落語を大切にするスタイルはますます円熟していきます。神栖市での「三之助をみたかい?」がはじまったのも6年前のこと。それからは、毎年春と秋に開催。初回は古典落語の中でも分かりやすい「片棒」や「お見立て」といった演目を披露しました。神栖での高座に関わらず、落語はそのときの会場の空気感で毎回ネタを育てているのだとか。いつ行っても、同じ話でも、落語が楽しめるのは『生』の空気で毎回変化しているからだと教えてくれます。

 

IT化が進んだ現代…最高の贅沢はライブであること!
落語は生に限る!!

「落語は空気感が大切で、お客様と一緒にその『場』の雰囲気を作り上げていかなくてはなりません。いくらテレビや、CD、ラジオで聞いていても、『生』で聞かなくちゃわからないものが落語には絶対あるんです。第一、『生』で落語を楽しむなんてとっても贅沢なことなんです。これだけ、テレビが普及し、インターネットが発達した昨今…。ライブで何かを楽しむことが一番贅沢なことなんですよね。だから、『生』の落語を一度は楽しんでもらいたい。もちろん、聞きたくない人に無理矢理聞いてもらうことはないんですが、少しでも興味があるなら是非『生』でその空気を体感して欲しいですね。一緒になって作っていく高座はとっても愉快だし、面白いものです」と落語の魅力を語ります。事実、1年間で約50回ある三之助師匠の土日は、ほぼ全てを「三之助をみたかい?」で埋まるほど。2015年の年間148泊という外泊数がそれを物語っています。「全国各地を飛び回って、いろいろな土地にお邪魔する。最初からやっていることをきちんと地に足を付けてやる!呼ばれているうちが花ですから♪」と武者修行のようなその行程をまるでこともなげに話します。「それに、わたし自身まだまだ修行の身。面白いということがなんだか、きちんと分かっていません。世の中には面白いことがたくさんある。笑うだけじゃない…。日本人は悲しい映画を見たって『面白かった』って言うでしょ。質の良い笑いを作り上げたいし、面白い高座を作りたい。だから、まだまだ皆さんと一緒になって『場』を作り上げる…、そんな一方的ではない相互作用のある高座を作れるようになりたいですね」と話をまとめてくれました。まだまだ続く三之助師匠の落語旅。自らを磨き、お客とともに毎回毎回『場』を作る作業。三之助師匠は、そんな永遠と続く果てしない道のりを歩み続ける落語家です。

2016年も開催!三之助をみたかい?in神栖 vol.12

柳家三之助師匠の落語を生で見れるチャンスです!!

■日付/2016年5月13日(金曜)
■時間/18時開場 18時半開演
■会場/神栖市知手中央・東町区民館
■住所/茨城県神栖市知手中央1-15-5
■木戸銭/(前売)2,000円 (当日)2,500円
■チケットなど申し込み・問合せは…
※090-1701-5130 事務局・遠藤さん(夜間のみ)
※その他、神栖市内でのチケット取扱い店は下記店舗になります。
  いわいすし/小美や/スポーツ高橋/蕎麦せん/山啓酒店

詳細は公式ホームページ
『柳家三之助の「まめさ」を鍛える場所』
にて
http://sannosuke.jp/

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