ショートストーリー
明日への贈り物 Episode20
家族の愚痴をこぼす大人 気付いて欲しい子どもの気持ち
いばらきの子どもと子育てファミリーへある家族の物語をご紹介します。
この物語が誰かの救いや気づき、そして児童虐待防止につながることを願って。
子どもに背負わせる大人の悩み 気付きにくい言葉の虐待
最近、あまり家に居たくないと思う時がある。その理由は、家族の仲が悪いから。
お父さんは毎日夜遅くまで働いて頑張っているけど、お母さんの話を無視して喧嘩になることが多いし、お母さんに怒鳴るのはすごくやめて欲しい。
ただ、お母さんも少しいい加減なところがあって、ごはんのおかずがあんまりなかったり、部屋がちらかったままで、お父さんがまた怒るんじゃないかと私がヒヤヒヤしちゃうことがよくある。
だから喧嘩にならないように私からお母さんに言ったほうがいいのかなと悩んでしまう。
二人の喧嘩を見るのも嫌だけど、それ以上に私はみんなが話す家族の悪口を聞くと本当に嫌な気持ちになる。
お婆ちゃんはお父さんの態度やお金のことでよく私に悪口を話すし、お母さんは、お父さんがたくさんお酒を飲むことや家のことは何もしないくせに文句ばかりといつも私にこぼしている。
そのお父さんはというと、「俺は毎日遅くまで働いてるのに、お婆ちゃんとお母さんは俺の悪口ばかり」と言ってばかり。
もしかして私もなにか悪いのかな。私はどうしたらいいんだろう。家に帰るのが憂鬱だ。