【いばナビ】ホーム > 茨城イイトコナビ > 筑西・結城・古河 記事一覧 > 東睿山 金剛壽院 千妙寺(とうえいざんこんごうじゅいん・せんみょうじ) |筑西市

東の比叡山と称される天台宗の名刹「千妙寺」

「千妙寺」の名称の由縁とは?

(※内容は2017年8月25日時点のものです)

東睿山金剛壽院千妙寺は、慈覚大師円仁開基の天台宗寺院で、淳和天皇の勅命により、承和元年(834年)、筑波山麓・上野(現筑西市)に創建され、「承和寺」と称したと伝えられています。
のちの「平将門の乱」の兵火により焼失してしまいますが、観応2年(1351年)、崇光天皇の勅命を受けた亮守によって現在地・黒子に中興されました。その際、亮守は千部の妙典(妙法蓮華経)を小石に書写し埋納したことから「千妙寺」と称するようになったそうです。
また、「東の比叡山」を示す「東睿山」の山号は、慶長18年(1613年)、後水尾天皇の勅号により授けられたと言われています。

現在の総本堂は、元文3年(1738年)に建立されたものですが、老朽化が著しく平成21年から25年まで、4ヶ年かけて大修理が行われました。280年の時を経て総本堂は見事に修復され、また境内の整備も次々に執り行われました。そしてその際、「千妙寺」の名称の由縁となった、亮守によって書き写されたと言われるお経の書かれた小石が多数発見されました。
650年も前の僧侶によって石に書かれた、色あせない墨の一文字一文字が、当時の思いや願いを蘇らせてくれるかのようです。この石も含めて、千妙寺の貴重な歴史的遺産の数々を、今回寺務所二階に新設された寺史展示室で閲覧することが可能になりました。長期間、保全のために茨城県立歴史館に委託していて見ることの出来なかった文化遺産の数々がこの大改修により無事里帰りした訳です。

▲法華経が書き写された小石

▲総本堂(釈迦堂) 筑西市指定有形文化財。

茨城県指定有形文化財・筑西市指定文化財等に認定されたものを含む寺史資料約3,600点の所蔵品が、年2回の展示替えのなかで、随時公開されており、県内外からのバスツアー等の見学者も受け入れていただけるそうです。また、ご要望により、「ちくせい観光ボランティアガイド」による現地案内も受け付けています。

秋の訪れとともに千妙寺に咲く曼珠沙華

色づく曼珠沙華(まんじゅしゃげ)を地元で堪能しよう!

平成28年7月には、客殿の前にあった池を曼珠沙華庭園に造り替え、檀家さんと協力して5,000株の曼珠沙華を植えました。
曼珠沙華は彼岸花、天上に咲く花とも言われ、その名の通り満開となった光景はまるで彼岸の世界が再現されたようです。9月中旬から下旬にかけての秋の彼岸に合わせて見頃を迎えます。
そもそもお彼岸は春と秋にそれぞれあり、春分の日を中心とした前後3日間、秋分の日を中心とした前後3日間のことを言いますが、お墓参りをして自分のご先祖様への感謝の気持ちを伝えることがすべてではありません。自分もまた亡くなったときに極楽浄土へいけるよう祈りを捧長い歴史を経て千妙寺のこれからげ、普段の行いを省みながら修行をする大切な期間でもあるのです。

今年もこれから9月中旬に向けて咲き始める曼珠沙華。その美しい光景の裏には、細かに手入れをしたり草刈りなどの作業をしてくれる檀家さん、地域住民の協力もあってのことです。
昨年の初めての開花にも市内外から多くの見物客が訪れ、満開の曼珠沙華をとても楽しまれたそうです。「東国花の寺100ヶ寺」にも数えられ、幻想的かつ心を清められるような光景に思いを馳せて、自分自身の心と向き合うのも良いかもしれません。

長い歴史を経て 千妙寺のこれから

千妙寺住職 阿さんは言います。「これだけの歴史的な史料があるのだから、小学校の社会科見学の一環としても活用していただいて、自分が暮らす土地の歴史を知る機会に結びつけることができれば、とても嬉しく思います」その土地に長く根ざした寺院が見て来た筑西市の歴史。長い長い歴史の中で、平将門の乱による戦火や火災によって堂宇が焼失するたび、何度でも再建を果たしてきました。そのときに失われてしまったもの以上に、千妙寺をよりどころとする人々の心とともに何度でも立ち上がってきた証拠のようにも思えます。

歴史的な史料という形で大切に守り続けられてきたたくさんの宝物は、宗教の形を取っているとは言えど、自分たちのご先祖様が守ってきたものかもしれません。

お彼岸は「あの世」と「この世」の距離が一番近くなる日でもあります。たくさんの歴史を積み重ねてきた史料にふれ、満開の曼珠沙華を目のあたりにすることで、一瞬でもご先祖様との心のふれ合いが出来るような、そんな思いが感じられる場所が、ここ千妙寺です。

▲千妙寺住職の阿 純孝(おか じゅんこう)さん

千妙寺内の見どころ

▲客殿
本尊仏の阿弥陀如来像が安置されています。

▲山門(正門)
寺はかつて山上にあったので、その門を山門と呼び、その名残りで平地にあっても山門といいます。

▲書院
客を接待するための殿舎です。現在は書院となっています。

▲寺史展示室(寺務所)
1階が寺務所、2階が展示室となっています。多くの貴重な歴史的資料が展示されています。

筑西市の見どころ再発見バスツアー

この目で見たい!歴史深い千妙寺の寺宝と曼珠沙華

■日時/9月27日(水)9:00~15:30
■定員/先着70人
■参加費/無料(昼食代別途)
■申込期間/9月1日(金)~15日(金)
■申込み・問い合わせ/筑西市観光振興課
■TEL/0296-20-1160

<コース>
筑西市役所下館庁舎 ⇒ 東睿山千妙寺(黒子) ⇒ 昼食 ⇒ 農業資料館(久地楽)

「私たち、ちくせい観光ボランティアガイド協会がみなさまをご案内致します。」

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