
鹿島アントラーズでプロ人生をスタートし、 26年振りに指揮官として帰還した鬼木達新監督。 クラブの黎明期を支えた現役時代を振り返りながら、 9年振りの国内タイトル奪還を目指す今季や地域への想いについて語ってもらいました。
(2025年2月5日取材)
そして、ジーコ氏との出会い
Jクラブ最多20冠のタイトルを獲得し、"常勝軍団"の異名を持つ鹿島アントラーズ。しかし、2019年以降は優勝に一歩届かず、不完全燃焼のシーズンが続いています。今季こそ光り輝くシャーレを再び掲げるため、現役時代から数えると26年振りに鬼木達新監督がカムバックしました。
鬼木監督は1993年に高卒ルーキーとして鹿島に加入。ミッドフィルダーのポジションで5シーズンを戦い、1996年にリーグ初制覇、続く1997年にはナビスコ(現ルヴァン)カップ、天皇杯、ゼロックススーパーカップで優勝。2度目の加入となった1999年にもゼロックスで頂点に立った深紅の元戦士です。

2025年シーズンより鹿島のトップチームの監督に就任した鬼木達新監督
「鹿島での経験がなければ、今の自分はありません」と自身の礎となった栄光の軌跡を振り返る鬼木監督。そして時代の寵児となる中、チームメイトだった"サッカーの神様"ジーコ氏からプロの姿勢を学んだと言います。
「楽しく賑わうレクリエーションゲームでも、本気でゴールを奪って喜ぶ。そんなジーコさんの勝負に徹する姿勢、勝利へのパッションは今も自分の中で大事にしている部分です」 そう話し、その後、川崎の監督として鹿島と対戦した際には、「いいチームを作ってるな」「(戻って来るのを)待っているぞ」と度々ジーコ氏から手腕を評価されたことが、指揮官としての自信につながっていきました。
"鹿島らしさ"や"魅了"を追求
川崎フロンターレで監督のキャリアを歩み始め、8年間で7冠ものタイトルを獲得し、日本サッカー界屈指の名将に登り詰めた鬼木監督。古巣・鹿島で新たに挑戦するのは『"魅了"して勝つ』ことです。「かつての鹿島には代表クラスの実力やタフさを兼ね備えた上で、勝者のメンタリティーがありました。数字では見えないけれど重要な技術や強さといった"鹿島らしさ"を取り戻したいと考えています」大観衆を魅了するのは、簡単には辿り着けない境地。これは鬼木監督が自身に課した最大のミッションであり、ともに挑む選手達に向けたメッセージでもあります。

開幕ダッシュを期した調整を進めている
その鬼木監督が今季率いるのは、海外クラブや日本代表の経験があるタレント集団。
FWは昨年の得点ランキング2位のレオ・セアラ選手、絶対的エースの鈴木優磨選手らが名を連ね、植田直通選手や安西幸輝選手など実績豊富な選手を中心に最終ラインを編成します。昨年のベストイレブンに選出されたボランチの知念慶選手や右サイドバックの濃野公人選手は今季も活躍が期待され、パリ五輪で活躍した荒木遼太郎選手がFC東京からレンタルバック。大黒柱の柴崎岳選手が2年連続でキャプテンを務め、豪華メンバーを牽引します。
そして今季は鹿嶋市出身の佐藤海宏選手がユースから昇格。左サイドバックを主戦場とする元鹿島ユース主将について、鬼木監督は「彼の左足1本だけでも見る価値がある。ハードワークするし、キャラクターも素晴らしいですよ」と高く評価しています。
▼今季注目の選手

鹿嶋市出身で元鹿島ユース主将。精度の高い左足の技術や縦の推進力に注目

パリ五輪でも活躍した若手ミッドフィルダーの星。端正なマスクも魅力

チームの柱として大きく成長を遂げた下部組織出身の絶対的ストライカー

セレッソ大阪から新加入。昨年21得点の驚異的な決定力が武器

1月には恒例の宮崎キャンプも敢行。万全の体制を整える選手たち

新しいトレーニングメニューも積極的に取り入れ、チームとしてのレベルアップを図る
リーグの開幕を控えた1月末、現役時代も訪問した鹿島神宮で、さまざまな想いを巡らせながら必勝祈願をしたという鬼木監督。約四半世紀振りに暮らす鹿嶋の町について「大きく変わっていない印象ですが、スタバの多さには感動しましたね(笑)。人との距離が近い地域なので、よく声をかけられます」と笑顔で語ります。
鹿島だこ、鹿島灘はまぐり、さつまいもなど地域の名産品はどれも好物で、タイトル奪還への活力の源。特に手軽に味わえる地元産のフルーツをよく口にしているそうです。
常勝軍団の復活を託された今季。鬼木監督は"勝利への一番のエネルギー"として地域の応援を挙げています。
「選手にとって地域に直接支援していただくことが、一番のエネルギー。チームが勝利するためには、地元の皆さんの応援が必要です。ぜひスタジアムに足を運んでサポートしてください」
今季のスローガンは、『Football Dream ONE』。アントラーズファミリー一丸となり、鬼木監督とともに最高の景色を再び見に行きましょう!

鬼木達監督
1974年千葉県生まれ。市立船橋高校卒業後、1993~1997年、1999年に中盤の選手として鹿島アントラーズで活躍。2007年から指導者に転向、2017年に川崎フロンターレでJ初監督に就任し、8年間で7冠のタイトルを獲得する快挙を達成。2025年シーズンから鹿島アントラーズの監督に就任。

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