初代協会員たちの情熱と郷土を愛する熱い思い

鹿嶋市の歴史と文化を、かるたを通して伝えていきたいと作られたのが鹿嶋文化財愛護かるた

昭和43年度からの2年間、当時の文化庁(現在の文部科学省)から文化財愛護モデル地区に指定された鹿嶋市。その命を受け、鹿嶋市文化財愛護協会が鹿嶋市に生まれました。

そんな同協会が最初に着手した事業こそが、この「かるた」作りでした。鹿嶋市文化財愛護かるたは、地元の子供たちに郷土の文化財を知ってもらい、文化財の保護や愛護に対する意識を高揚するために作られたのです。そんな製作当時のことを知る協会メンバーもいまは少なくなり、当時の思い出を遡ることは難しい状態です。

その当時、全国各地でご当地かるたの製作が盛んにおこなわれていたこともあり、同協会も地元有志と集まり、この鹿嶋文化財愛護かるた製作を開始しました。このかるたには、当時の製作者たちの考える「子供から大人まで楽しめるかるた遊びを通して、鹿嶋の歴史、伝統文化を伝えていきたい」という熱い想いが込められています。そのため、かるたの読み札に書かれた文句の中には、地元の名所や人物、昔話がたくさん盛り込まれています。

また、かるたの絵にもこだわりました。当時の教育委員会からの紹介で地元の著名版画家・谷田川卓さんに依頼。シルクスクリーンによる人間を抽象表現した氏の作画スタイルの初期の版画はいまでは貴重なものとなっています。そんな当時の話を口伝で教えてくれたのは、現鹿嶋市文化財愛護協会会長の角南好彦さん。現在も毎年1月に開催する文化財愛護かるた大会主催に尽力しています。

現在の鹿嶋市文化財愛護かるた協会会長を務める角南好彦さん。鹿島神宮の観光ボランティアを務めるなど、活発に地域貢献活動を行う人物です。

鹿嶋の歴史や伝統文化を48枚のかるたに詰め込んで

平成29年の第46回大会には錦織鹿嶋市長もかけつけ、子供たちの熱戦を温かく見守りました。

協会に残る資料には、昔の新春文化財愛護かるた大会の様子を記録した写真も…。

鹿嶋で暮らす人々のルーツを知るツールとしても人気

『「い」いの一番に鹿島神宮』、『「ろ」ろかい高なる浪逆浦』、『「は」芭蕉ゆかりの根本寺』など。
いろはの「い」から始まる48枚の読み札に書かれた文句には、鹿嶋市民でなくとも知っている地元の名所や伝統文化、人物などが分かりやすく書かれています。例えば、なまずの絵が描かれた絵札と対をなす読み札は、『「し」じしんよけなら要石』とあります。これは鹿島神宮の名所である巨大なまずの頭を押さえているという要石を表した読み札です。

かるたをしながら楽しく郷土の歴史を勉強できると、地元幼稚園や保育園では授業の中にこのかるたを取り入れている園もあるほど。例えば、昭和46年創立の認定こども園こじかでは、創立当時からこの文化財愛護かるたを郷土愛醸成のための教育ツールとして導入していると言います。かるた大会に合わせ、年中さんからはじめます。かるた遊びを通じ、地元の歴史を知ることができ、字を覚えることもできると重宝しているのだとか。

そんな文化財愛護かるたは同協会が発足した後、約2年間かけて制作されたというほどの力作です。地元有志の方をはじめとし、多くの方々がひとつひとつ丁寧に考えられた言葉の中には、地元への『愛』と伝えたい『想い』がぎっしり詰っています。

かるたを購入すると一緒に付いてくるガイドブックにはかるた一枚一枚に記された言葉と名所の解説が記され、かるたの札を訪ねるための散策マップも付属します。色彩が豊かで、美術性の高い絵も子供たちの教育にひと役買っていると角南さんは力を込めて語ります。
その当時の風情や物語を感じ、鹿嶋への郷土愛溢れる愛護かるたは、鹿嶋で暮らす人々のルーツを知るツールとしても人気です。

45年間続くかるた大会 世代を越えて愛されるかるた

いまの鹿嶋市にふさわしい新しい文化財愛護かるた作りも視野に

毎年1月に開催される新春文化財愛護かるた大会。この大会には地元幼稚園生を中心に、小学生や大人、家族で参加する人もいます。「大会も45年間続くと、親子連れの常連さんもたくさんいるのですよ!」と角南さん。

平成29年1月に開催された第46回新春文化財愛護かるた大会には76人が参加。今年の大会には錦織鹿嶋市長も挨拶に訪れるなど盛況に執り行われました。小学生(高学年の部)では山本縞輔くんがトリ札16枚で優勝。小学校3年生の頃からこの文化財愛護かるたをはじめたと言います。編集部の「家でもかるたを楽しんでいるんですか」の質問に、「はい!兄弟3人でかるたを楽しんでします!」と元気に回答してくれました。そんな山本くんの好きな札は『「れ」歴史に残る鹿島城』とのこと。この大会に向けて家族みんなでかるたを楽しむことが、こどもの郷土愛醸成につながっているんだと実感します。

そんな文化財愛護かるたですが、今後の愛護協会の展望を角南さんに聞くと、「50回大会にむけて、かるたの内容の見直し、掘り起こしなど、新しい形のかるた作成も目指しています」とひと言。平成の大合併前に作られたかるたのため、旧大野村の読み札がないことを角南さんは残念に思っているのだとか…。いまの鹿嶋市にふさわしい新しい文化財愛護かるた作りが角南さんの次の目標です。また、参加者の期待と地域の活性化のためにも、続いて欲しいこのかるた大会。協会の方々を筆頭に、地元の人々と鹿嶋文化財愛護かるたがこれからも大事に残っていって欲しいと多くの人が願っています。

1組6名ほどで円を作るかるた大会。地元中学生もボランティア審査員で参加。

『文化財愛護かるた』は1,080円で販売。 市内には他にも、『とよつ「親子かるた」』や『高松かるた』、『大野今昔かるた』などのご当地かるたがあります。

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