【いばナビ】ホーム > 茨城イイトコナビ > 日立 記事一覧 > 寂しい食卓から楽しい晩ごはんへ!日立駅前の商店街で始まった「ごはん食堂」

大人も子どもも直面 『孤食』という問題

食でつながる、地域コミュニティの創出

(※内容は2017年8月25日時点のものです)

「食でつながる、未来を変える絆つくりの居場所」をテーマに7月から実働を開始した「おかえり!ごはん食堂」が注目を集めています。

親の共働きや、母子家庭で母親が夕食の時間に働きにでてしまっているなど、子どもがひとりで食事をとる孤食の状態が慢性化しています。これは子どもに限ったことではなく、高齢者の孤食も大きな社会問題になっています。孤食の結果、極度の偏食や情緒不安定になる子どもは少なくありません。

そんな社会問題に一石を投じようと立ち上がったのが、「おかえり!ごはん食堂」実行委員会代表の山本美穂さんら有志の皆さんです。こども食堂というと、行政主体で生活支援を受けている、世帯年収122万円未満の家庭の子どもたちを対象にするものがほとんど。
しかし、山本さんたちはその敷居を広げ、地域コミュニティの創出というさらに大きなテーマを掲げこの運動をスタートさせました。それが孤食に悩む子どもや、高齢者やその介護者、もちろん地域コミュニティになかなか参加できない世帯も含めて、大きな枠組みで晩ごはんを一緒に楽しもうというものでした。

おかえり!ごはん食堂実行委員会代表の山本美穂さん。介護の資格取得支援を行うベストパートナー介護や常陸手うち餃子正のオーナーも務める日立市を代表する女性起業家。

『孤食』を解決すると 地域が潤滑する!

毎月1回、食事だけではなく宿題や遊べる時間も

そこで、山本さんは自身の店である常陸手うち餃子正を会場にし、この「おかえり!ごはん食堂」を2017年7月から始動させました。毎月1回、第3月曜日の16時から19時までの3時間。2階の会議室も開放し、茨城大学や茨城キリスト教大学の学生たちもボランティアとしてかけつけ、食事だけではなく、宿題や子どもたちの遊び相手になってくれるという充実した時間を用意しました。

どうしても食材費からメニューが制限されることの多い子ども食堂ですが、山本さんは訪れてくれた人にお腹一杯になって笑顔で帰って欲しいからと、子どもたちの好きなメニューを献立に並べました。参加費も子ども100円、同伴の大人は300円、高齢者は300円。それ以外の大人は500円で参加可能です。

この食堂は孤食問題を解決するだけでなく、育ち盛りの子育て世代の新たなコミュニティの場を商店街に創出するなど、空洞化する市街地問題にも向き合い、解決に取り組みます。また、この活動が継続的に行われることで、地域による子育てが実現し、地域愛の醸成にもつながります。新たな地域の絆を生むことになるのです。

「おかえり!ごはん食堂」で実際に提供された献立。これに流しそうめんが付いてきました。

第1回目の様子。そうめんスライダーにテンションが上がる子どもたちが続出♪

プレ開催を終えて 浮かぶ問題点と課題

いろんな人が来られて、いろんな人が出会えることが重要

2017年7月17日に第1回目となる「おかえり!ごはん食堂」が開催されました。30名程度の参加を予想していた山本さんの想定を上回る43名の親子が参加。
その中には課題であったシングルマザー世帯の方も参加してくれました。参加者からは「普段、家にいるとついつい怒ってしまうことが多くなるんですが、こういう場にきて、皆で食事をとって、お兄ちゃんやお姉ちゃんたちが一緒に遊んでくれるのは新鮮で子どももとっても楽しがっています」との声も。他にも「日立市には子どもすくすくセンターなど、小さな子どもを育てる親を支援してくれる施設はあるのですが、小学生や中学生の親が集まって息抜きや相談をできる場所があまりないんです。その中でこういった会が月1回でもあるととても嬉しいですね」との好意的な意見がほとんどでした。

山本さんも「いろんな人が来られて、いろんな人が出会えることが重要です。民間だからできることとして、誰でも来られるように門戸を開けて、敷居を低くしたいですね」と語ります。

しかし、はじめての開催で見えてきた問題点もありました。受け入れる側のボランティアの専門性の向上が必要とも山本さんは話します。ひとりでやってきた子どもを家まで送って行けるような体制もとりたいのだとか。

2階では大学生ボランティアの皆さんによる学習支援も開催!宿題も見てもらえます!

これから発展する おかえり!ごはん食堂

参加者としても、ボランティアとしての参加も大歓迎!

第1回目の「おかえり!ごはん食堂」を成功させた山本さん。これからのこのコミュニティの展望についても語ってくれました。
「これから常陸手うち餃子正だけでなく、周辺施設でも日にちをずらして『おかえり!ごはん食堂』を開催していきたいと思っています。たとえば、今週はココ、来週はアソコ…、というように毎週月曜日はこの商店街通りのどこかでこの食堂が開催されていれば、もっと密に子どもたちや周辺の孤食に悩む人へアプローチできるようなると思っています。

また、行政からも支援を頂いていますが、より子どもたちに充実した食事を提供できるように『まんぷく支援チケット』を販売しています。1000円でこのチケットを購入して頂くと、500円がプロジェクト実行委員会へ、そしてもう500円を協賛店で利用できる仕組みです。
現在は常陸手うち餃子正を含む30店舗で利用可能。こちらも周辺施設とタイアップして内容をグレードアップしていければと考えています。また、この事業に必要なのはとにかく継続していくことだと思っています。

母子家庭の貧困の連鎖を断ち切るのはもちろん、このプロジェクトへの参加をきっかけに就職支援やプロジェクトスタッフの行政書士への法律相談なども準備しています。
とにかく、まずはこのプロジェクトを見に来てください。参加者としても、ボランティアとしての参加も大歓迎です」と話す山本さん。山本さんの描く新しい地域コミュニティはこれからの日立市に欠かせない、必要な存在になりそうです。

あなたも参加してみませんか?

おかえり!ごはん食堂

【住所】日立市弁天町1-11-4山本ビル
【電話】0294-88-0769
【開催】毎月第3月曜 16:00~19:00
【参加費】子ども100円、同伴の大人300円、高齢者300円
【対象】どなたでも参加OKです!
※ボランティアの参加は事前に電話(10:00~20:00)にてお申込みください

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