初夏を感じる観蛍会 日立市のホタル観察スポット

ホタルは〝環境指標〞とも言われ、キレイな水質や豊かな自然環境のバロメーターのように使われますが、日立市内でもあちこちでその姿を見ることができます。
市民会議は「エコフェスひたち」でホタルの目撃情報を収集。今回のマップづくりに生かしました。また、個人や団体でホタルの養殖や環境保全を行なっている事例も調査。小学校などで先輩から後輩へと受け継がれている活動もあり、「今後も継続して欲しい」と期待を寄せています。
昨今、他県においてはホタルを観光の目玉にしようと、もともとのホタルの生息地ではないにも関わらず、生態系を無視して安易にホタルを放流するケースがあり、問題視されています。ホタルは豊かな自然のバロメーターではありますが、「豊かな自然」とは何でしょうか。
ヘイケボタルの最適な生息地は水田です。手付かずの自然では逆に生息することができません。「日本人の稲作文化がホタルの環境を生んだと言っても過言ではない」とメンバーの稲垣照美茨城大学教授。つまり、ホタルを観察することで、自然の生態系だけでなく、市の発展を支えた産業の歴史、人々の営みにも思いを馳せることができるのです。
この夏、家族で日立のホタル観察に出かけてみませんか？

◎奥日立きららの里
「日立北ロータリークラブ」が中心となり、きららの里ホタルの里の整備を行っています。水路を手作業で整備し、ホタルの餌となるカワニナが生育しやすい環境を整えました。

◎滑川小学校脇
滑川小学校では児童たちによる「滑川ホタル少年団」が結成され、「滑川ホタルの里づくり委員会」と一緒に、学校脇の小川にホタルの幼虫の放流を行っています。

◎イトヨの里 泉が森公園
「平成の名水百選」に選ばれています。これは水質や環境のほか、保全活動も選定基準。「イトヨの里泉が森公園運営委員会」の活動が実を結びました。

◎赤羽緑地
多様な水辺の植物、水生生物を見ることができます。園内の西側に湧水があり、それを利用して野鳥池の端に「ホタルのビオトープ」が作られました。カワニナを生息しやすくして、ホタルの幼虫を放流しています。