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日立消防署に聞きました

消防の任務や日々の防災って?

「もしも」のときに私たちを助けてくれる消防士。日立市消防本部、そして日立消防署で働く皆さんに、消防の任務や日々の防災についてお話を聞いてきました。

(※内容は2016年10月25日時点のものです)

消防の仕事とは

火災や自然災害など……毎日の暮らしの中には「万が一」という場面に遭遇する可能性があります。そんな不測の事態で頼りになるのが119番の緊急通報。私たちのSOSコールを24時間体制で受け、いつでも出場できるよう備えているのが、日立市消防本部、そして市内各署の皆さんです。
日立市内には、日立消防署、多賀消防署、臨港消防署、北部消防署という四署の他、四つの出張所と一つの派出所があります。各機関それぞれに、消防隊や救急隊、救助隊といった隊員が配置されています。そして日立消防署と同じ建物内に置かれているのが、日立市消防本部。市内からの消防緊急通報を受け、即座に隊編成を組んで出場指令を伝達したり、防災情報の発信や事務関連業務を担っている機関です。
市内の消防全機関を合わせた職員数は、現在290余名。彼らの尽力によって、日立市民の安全な暮らしが守られているのです。

消防と聞くと、火災発生時の消火活動をイメージする方も多いのではないでしょうか。消防の第一任務は、人命救助活動。消防車がサイレンを鳴らして向かう先は火災現場だけではありません。地震や台風による土砂崩れや洪水などの自然災害時や、海や川での水難事故、高速道路上での交通事故現場等へも駆けつけます。特に、日立市消防本部は県内でも指折りの防災拠点のひとつとして緊急消防援助隊を登録・運用。そのため、市境や県境をまたいでの広域活動もあるのだとか。

「消防隊」と「救助隊」について

もちろん、現場の状況は常に異なり、隊員はその時その時で、即時判断と迅速な活動が求められます。そのため、災害発生現場で想定できうるあらゆる状況に対応す
るべく、日々訓練を積まなくてはなりません。
署に待機している間も気を緩めず、毎日、市内各署のどこかしらで何かの訓練が行われています。基礎体力、知識、経験。消防士に必要とされる素養は、枚挙にいとまがないと言えましょう。

消防士になるためには、まず採用試験合格を経てから消防学校へ入学といった厳しい試練が待ち構えています。さらに、救急の現場で活躍する救急救命士になるには、国家資格の取得が必要です。また緊急車両を運転するためには機関員という資格を得なければなりません。他にも、所属隊によって様々な免許や資格の取得が要件となります。

そんなハイレベルな消防士の中でも、さらに高度な技能や知識、優れた体力を持つ人たちが所属しているのが「救助隊」。日立市消防本部では、高度救助隊、特別救助隊、そして水難救助隊という三部隊を持ち、合計64
名で編成しています。ちなみに、水難救助隊が置かれているのは県内消防でも稀で、大規模港と長い海岸線を
持つ日立市ならではです。

ロープを頼りに壁をかけ上る隊員。

人命救助のスペシャリストを目指して

救助隊は人数に限りがあるため、非常に狭き門。にも関わらず、多数の若い隊員が救助隊任命を志しています。先の10月6日、7日に行われた次年度の救助隊任命のための適性を見る養成訓練には、22名が挑戦。今回、特別に二日目の様子を見学しましたが、私たちの想像を超える厳しい訓練の連続でした。体力の限界に挑むと言っても過言ではないメニューです。難関に苦戦している訓練隊員たちへ「頑張れ、もっとやれる!」と声をかけ鼓舞する先輩隊員たちの姿が印象的でした。

「この養成訓練は大変厳しい内容です。思うようにいかないのも無理はありません。ですが、レスキューの現場では、いかなる場合でも〝出来ない〞は許されません。一刻一秒を争う中で、一人でも多くの人命を救うためには、限界からさらにもう一歩踏み出せる強い精神力が必要です」
と、話してくれたのは、高度救助隊隊長の関光夫さん。
現場の厳しさと、人命救助への強い使命感が感じられた印象深い言葉です。

ちなみに、救助隊と一般消防隊の大きな違いは、運用できる資機材が異なること。救助隊が乗りこむレスキュー車は、一見ほかのポンプ車と同じように見えるかもしれませんが実は特別な資機材が積み込まれています。消防本部で運用している消防車両は、救急車含めて全部で27台。そのうち、特殊車両等が9台配備されています。
最大35 メートルの高さまで達するはしご車や、中には県内で一台しか置かれていない「津波・大規模風水害対策車」という珍しい車両も!昨年の関東・東北豪雨による水害に遭った常総市へも派遣され、現場で大活躍したそうです。

山あり、海ありの日立市では、様々な災害が想定されます。そんな「もしも」に備えて、影から常に私たちの生活を守ってくれている消防本部・消防署。頼れる消防の皆さんと一緒に、私たちも、まずは自分の身のまわりの防災に努めることで、安心・安全なまちづくりへさらなる一歩を踏み出しましょう!

高度救助隊隊長の関さん。救助隊服の左肩についているワッペンは三部隊ごとに意匠が異なります。

日立市消防本部のワッペンは、市の鳥「ウミウ」を模したイラストを採用しています。

訓練の様子

救助隊養成訓練の様子。日立消防署には、高度な訓練が出来る設備が備えられており、隊員たちが日々訓練に励んでいます。

重さ35キロものダミー人形を高所へ引き上げる訓練。人命救助のために、「もしも」を想定した厳しいメニューが組まれていました。

文字通り「綱渡り」。高所、かつ足場のない場所での訓練も行われます。これは見た目以上に厳しいとか。

もちろん、基礎体力づくりも重要。懸垂や腹筋、腕立てもこなした上での、先の訓練メニューです。

さいごに

右から二台目が、津波・大規模風水害対策車。総務省から貸与されており、水陸両用バギーやFRPボート等が積載されています。

当記事の作成にあたり、日立市消防本部、日立消防署のみなさんには多大なご協力を頂きました。
みなさん、お忙しい中ありがとうございました!

これからの季節に気になる、住宅防火のポイントをまとめました!もしも自分の身のまわりで火災を発見したら、早い通報をお願いします。

119番のかけ方と、便利な「日立市医療情報問い合わせ電話番号」について

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