「残穢-住んではいけない部屋-」などで有名な中村義洋監督独占インタビュー!
「第3回つくばショートムービーコンペティション」の特別審査員・中村義洋監督。
実はわたしたちの地元・つくば市出身なのです。
今回、特別に中村監督にCoutaが独占インタビューをさせて頂きました!!
(※内容は2016年3月25日時点のものです)
つくばショートムービーコンペティションつくっぺ会場にて笑顔で質問に答えてくれる中村監督
—中村監督はつくば市小田地区の出身ですが、どんな少年時代を過ごしたのでしょうか?
小学時代の遊び方は相当ダイナミックでした。小田全体を使って、10人ぐらいで鬼ごっことかしていましたね。しかも自転車で。基本的に出たがりなタイプ。「あの頃の俺は恥ずかしかったな…」としみじみ思いますね。そうかと思うと、一人で宮本武蔵を真似て石切場で「巌流島」ごっこをしたり。変な子供でした。
—よく通ったお店などありましたら教えて下さい。
ここぞって時は小田の「うなぎ村山」。本当美味しいんですよ。今も大繁盛しています。子どもの頃は刺身とかでしたが、今は確実にうなぎですね。助監督らと「ちょんまげぷりん」のロケハン行った時、他のみんなに内緒で特上を食べました(笑)。
—幼少の頃から映画はよく観ていたのですか?
いや、周りに映画館自体ないので。初めて土浦の映画館へ行ったのは、小学校低学年の頃。「象物語」というドキュメンタリー映画でした。小6の時は「E・T」にハマり、作中のマウンテンバイクの真似をしてママチャリの泥除けを外しちゃったんです。お祭りに行くためにそれを走らせていたら、「背中が泥だらけだよ」と友達に言われ、着替えに家まで戻った記憶があります(笑)。高校は土浦だったので、学校帰りに友達とよく映画館に通っていました。ほとんどが同時上映で、プレデターと恋愛モノとか信じられない組み合わせでしたよ。
—伊丹十三監督「マルサの女」を観て、映画の道へ進むことを決めたそうですね。
「マルサの女」との出会いは、高3の5月頃のテレビ放送。ビデオデッキを買ってもらった直後で、録画を繰り返し観たんです。そしたら、映画を作る人たちがいるということに気付いた。津川雅彦さんや山崎努さんの演技がとても面白く感じていて、映画監督と同じぐらい役者も目指していました。大学の映画研究部では監督もやりながら役者もしていましたし、仲間の作品にも出演していました。でも仲代達矢さんの「無名塾」に落ちて、それで辞めちゃいましたね。
授賞式でのトークセッションでは自身の作品のこと、今回のショートームービーに対しての助言など、いろいろな意見を多面的に展開
トークセッションではかつての恩師からの質問も飛び出し、会場を『ワッ』と盛り上げるとともに、笑顔で回答をする中村監督
市原つくば市長とともに、今回のつくばショートムービーコンペティショングランプリ受賞者のみなさんと!
—大学時代は映画の自主制作に没頭し、「ぴあフィルム・フェスティバル」で準グランプリを獲得。そして助監督、脚本家、監督デビューしましたが、映画作りについて教えて下さい。
映画を作るためには、映画をたくさん観るのが一番。「マルサの女」を100回ぐらい観ていたので、5分の短編映画がスルッとできちゃった。最初の作品で学生映画祭でも褒められて、天狗になってしまったんですね。それで賞を獲りたい映画の作り方になってしまい、コンクールも落選ばかり。「自分が面白いと思ったものを、面白がって撮ろう」と原点回帰したら、賞をもらった。だから映画の審査をする時は、「どれだけ楽しく撮っているか」が僕の基準。映画の依頼もそれが感じられる作品しか引き受けないようにしています。
—中村監督がCouta読者にオススメしたい中村監督の作品とは?
それはドンピシャで「ちょんまげぷりん」。バツイチのシングルマザーの話なんですが、働く女性が突き当たる問題がいっぱい詰まっている。
「仕事って何なんだろう?」というのも純粋に入っているので、是非観て貰いたいですね。ラスト部分は小田山で撮影しています。今はハイキング客でにぎわっている場所。リフレッシュをしに訪れてみるのもいいかもしれませんね。
—今までの作品の中で印象に残っている俳優さんは?
「映画 怪物くん」で主演した嵐の大野智くんは演技が上手かったですね。特殊な役でしたが、1を言って10で返ってくるという響き方はピカイチだった。すげぇなと思いますよ。阿部寛さんは持ってる加減がすごかった。「チームバチスタの栄光」でソフトボールをするシーンがあったんですが、野球場のライトが23時きっかりに落ちるので、ギリギリの22時55分ぐらいまで撮っていたんですよ。んで、最後に「あちらの方に打ったように後でボールを合成しますので、空振りでOKです」って阿部さんに言ったら、キレイに打っちゃった。そしてその直後にライトが消えたんです。リハーサルでやれていたことが本番で出来ない俳優さんが多い中で、持ってるってこういうことだよなって思いましたよ。
—5月14日公開の最新作「殿、利息でござる」の見所とは?
フィギュアスケートの羽生結弦選手がこの作品で役者デビューしています。「伊達顔だよね。出てくれたら面白いな」とダメ元で言っていたら出てくれた。「リンクの上では架空の人物と演技しているけれど、映画は実際に相手がいる。それは初めてのことだから、新鮮だった」と羽生くんは言っていましたね。この映画は結構なお金を出す、出さないの話。誰々が出したから自分も出さなきゃいけないとか、一番尊敬されるためにはいっぱいお金を出さなきゃいけないとか、その辺りのちょっとしたいやらしさがとても出ている。田舎で生まれ育たなかったら作れなかったかもしれない。笑って感動できて面白いですよ!
ホラーにサスペンス、そしてコメディーと自在にテーマを変えても、奥深いテーマ性を与え続ける中村監督。次回作にもこれからの作品にも期待がかかります。
2016年5月14日(土)全国ロードショー『殿、利息でござる!』も公開予定♪
中村義洋(なかむら よしひろ)
映画監督、脚本家、ナレーター
生年月日:1970年8月25日
出身地:茨城県つくば市
好きな食べ物:からあげ
好きな映画:ゴッドファーザー
尊敬している人:崔洋一監督、伊丹十三監督
代表作品:アヒルと鴨のコインロッカー、チームバチスタの栄光、ゴールデンスランバー他
『TSUKUBA』×『TSUCHIURA』=地元ムービー
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