花火＆まつりカレンダー2016＜県南周辺エリア編＞

茨城県を代表する花火製造所のひとつ山﨑煙火製造所。牛久沼の畔、つくば市の南端に居を構える老舗花火製造会社です。土浦全国花火競技大会や、秋田・大曲全国花火競技会での入賞も多数！その中には総合優勝に値する内閣総理大臣賞を受賞するなど輝かしい実績を誇ります。そんな山﨑煙火製造所で、打上花火の楽しみ方を聞いてきました。

山﨑煙火製造所の打上花火は日本一との呼び声も高い美しさ！特に多重芯の打上は圧巻です！！

いなしき夏まつり花火大会をはじめ、常総きぬ川花火大会など、今年も県内をはじめ大小様々な花火大会に参加することが決まっている山﨑煙火製造所。つくば市が誇る全国屈指の花火製造業者です。伝統と歴史のある花火の技術を守りながらも、斬新な構成や打ち上げ技術をすぐに取り入れ、見ている人たちを虜にする花火を提案してくれると人気を集めています。
そんな山﨑煙火製造所の代表取締役・山﨑芳男さんは３代目。７名の花火職人を筆頭に数十人が働き、百年以上続く山﨑煙火製造所を牽引します。「もちろん、花火の楽しみ方は人それぞれで良いと思います。ただ、安全に楽しんで欲しいので立ち入り禁止区域には絶対に入らないで欲しいですね」と安全を第一に考える姿勢に老舗煙火所のこだわりを感じます。その上で、花火を楽しむにはいくつかの条件があることを教えてくれました。

●10号玉くらいの花火大会なら打上地点から300ｍ～500ｍくらいのエリアが観覧におすすめ。
●打上花火の好条件は３ｍ～５ｍくらいの風が吹いている日。風上から観覧するのが良い。
●なるべく暗いところを選ぶと、夜空に上がる花火をよりきれいに見ることができます。

以上のことを参考に、立ち入り禁止区間に気を付けて観覧スポットを明るいうちに探すのが花火大会を楽しむコツのようです。

山﨑芳男さん66歳。打上花火だけでも年間３万発以上を作る山﨑煙火製造所を率いる代表です。

「最近、人気の花火は明るくて色がしっかり発色する花火が好まれているんですよね」と話す山﨑さん。実はコレはとても難しいこと。光は明るくなればなるほど、白に近づいていきます。つまり、色をしっかり発色させようとすると明るさは必然的に暗くなるもの。相反する『明るさ』と『発色』が求められているのが、近年の花火の特徴なのだそう。花火の色は赤ならストロンチウム、青なら銅、緑ならバリウムなど化学の周期表に載っているような元素と呼ばれる金属の種類によって決まります。
そんな元素の種類や配合によって、花火の色は無限に変化すると言います。「毎年同じように見える材料を使っていても、実は毎年できばえが異なってくるんです。だから毎年のように配合を微調整し、試験を重ねて毎年色への挑戦も続けています。明るくかつ発色の良い色も研究を重ねているんです。だから、花火を作る会社によって赤と言っても同じ赤はないんですよ」と山﨑さん。
常総きぬ川花火大会のように複数の花火業者が参加している花火大会では、そんな色の違いに注目してみるのも面白いかもしれません。また、「明るい花火が人気を集める一方、昔からある色がしっかりでている暗い花火も必要なんです。いくつもの花火を組み合わせて総合演出するスターマインやプログラムの中で、明るい花火でグッとお客さんの心をつかんで、じっくり色を楽しめる暗い花火を持ってきたり、組み合わせは花火師によります」と。構成を考えた花火職人がどんな意図で花火の組合せを考えているかに思いを馳せるのも粋な楽しみ方かもしれません。

通称『尺玉』と呼ばれる10号玉は直径30ｃｍ！重さは８キロから10キロほどになるとか！？