【いばナビ】ホーム > 茨城イイトコナビ > 筑西・結城・古河 記事一覧 > 古河市が生んだ落語家/八代目春風亭柳橋と申します

「好き」から「なりたい」へ…お客さんが笑ってくれる快感

本名は竹内秀男さん。1956年茨城県古河市に生まれた若者は、子どもの頃から落語が好きだったといいます。少年時代は明るく活発で、落語の真似事をして遊んでいたと話す春風亭柳橋師匠。お正月には家族で東京に寄席を見に行ったりと、落語をごく身近に親しみながら育ちました。そんな竹内少年に転機が訪れたのは大学時代。所属していた落語研究会の高座で、お客さんの前で噺を披露したときの興奮が忘れられなかったと言います。「それまでは聞くだけだった落語が、やってみたら快感なわけですよ。自分で自由に演出もできるし、何より自分の一言でお客さんが『ワーっ』と笑ってくれるわけだから。まるで信仰宗教の教祖になったかのようでしたね(笑)」と…。それまで抱いていた『落語が好き』という漠然とした感情が、鮮明になりました。「落語を一生の仕事にしよう」、竹内少年がそう思った瞬間でした。

七代目との出会い、厳しいながらも温かい人だった

しかし落語家への道は長く険しいものでした。当時、大学の落語研究会の顧問をしていたのが先代の七代目春風亭柳橋師匠。意を決して弟子入りを志願したものの見事に玉砕。竹内少年はやむなくサラリーマンの道を選びます。その後、大人しく就職して名古屋での生活を始めた竹内さん。それでも落語への情熱を捨てられず、休みのたびに東京へ戻り、先代の春風亭柳橋師匠に会いに行きました。「やっぱり噺家になりたいって想いが強くてね。でも何の保険もなしに会社を辞められないわけですよ。で、あるとき、師匠から『宇都宮で仕事があるので一緒に行きませんか?』って言われたんです。これはいよいよかと思ったら、『今から行く場所は、噺家になりたくて仕方がなかったが、諦めて就職し、趣味で落語を続けていた方の発表会です。いまではその方、弟子ができて、孫弟子までいるんですよ。今回はその方に発表会のゲストとして呼ばれました。あなたも仕事を続けながらそうしてみてはいかがですか』って言うんですよ。これはもうゴチャゴチャ言ってても仕方がない!と思って、後日、師匠に『会社辞めてきました、やっぱり噺家しかありません』って言いに行ったら、『しょうがねぇなぁ』って言って弟子にしてくれたんです。厳しいながらも温かい人でした」っと当時を振り返ります。

試行錯誤の修業時代、乗り越えて気が付いたこと

先代柳橋師匠は言葉で何かを教えることは一切ありませんでした。「師匠は、しくじると『てめぇ、バカヤロー』とだけ言って終わり。きちんとできたときは何も言わない人でした。でもそこで、何が悪かったのかなって常に工夫する姿勢を持っていないと噺家は務まらない。芸が伸びないんです。よく師匠に、『相手の目を見て何考えてるかわかるようになんなきゃダメなんだぞ』って言われてたんです。けれど、最初の頃はそれがどんな意味なのか全くわからなかった。でも相手のことを一生懸命見続けていたら分かるようになってきたんです。次に何がしたいのかが分かってくるんです。大切なのは、常に相手のことを想いながら、次にどうすればいいか考えること。それがかわいがられるコツであり、落語がうまくなるコツでもあるんです」っと先代から学んだことを柳橋師匠はそう話します。

落語家が地域のためにできること

柳橋師匠は平成25年に野木町観光大使、平成27年に古河大使に任命されました。都内を寄席をはじめ、全国で公演を行う柳橋師匠。その中で定期的に地元周辺でも落語会を開催しています。それは地域を元気にするための活動。「古河市在住の噺家が地域のためにできることは、地元の方々に少しでも落語に興味を持ってもらうこと。そうやって落語の底辺を広げていきたいというのが私の夢でもあります」っと師匠。落語の世界に目を輝かせた、かつての少年のように人懐こい笑顔でそう話す柳橋師匠。『一笑懸命』な落語家として、今後も全国各地に笑いの種を振りまいてくれることでしょう。

 

春風亭柳橋師匠
【プロフィール】
昭和31年、古河市に生まれる
古河第三小学校、古河第二中学校、栃木県立栃木高等学校を卒業
東京経済大学経営学部を卒業
一部上場企業に就職
落語家になりたいとの想いから会社を辞め、7代目春風亭柳橋に入門(前座名/べん橋)
昭和61年に二つ目に昇進、七代目・柏枝を襲名
平成6年に真打に昇進
平成20年に八代 春風亭柳橋を襲名
現在は噺家として活躍する一方、栃木市ふるさと大使、いばらき大使、野木町観光大使、古河大使も務め、古河市在住の落語家として、精力的に活動を行っている。

平成29年3月12日(日)
落語特選 招福の会
◎会場/ホテルレイクビュー水戸
◎受付/12:00~
◎開場/13:00~
◎開始/13:30~
◎出演者(出演順)
  開口一番・春風亭柳橋
  お仲入り
  江戸家まねき猫
  桂ざこば
◎料金/全席指定 7,344円(税込) ※招福弁当付
◎お問合せ・ご予約/029-224-2727

(※内容は2016年12月25日時点のものです)

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